出光興産と市原市、超小型EVカーシェアを活用した包括連携協定を締結

出光興産と市原市、超小型EVカーシェアを活用した包括連携協定を締結。写真は、その直後に行われた出発式のテープカット
出光興産と市原市、超小型EVカーシェアを活用した包括連携協定を締結。写真は、その直後に行われた出発式のテープカット全 20 枚

出光興産と市原市(千葉県)は4月30日、地域の観光振興や産業振興などの地域創生に貢献する分野において連携・協力することを目的に包括連携協定を締結。その第一弾として同日より超小型EVを活用したカーシェアリングサービス「オートシェア」を市原市内で開始した。

駅からのラストワンマイルとして展開。地球温暖化対策、防災対策にも活用

超小型EVの活用を軸とした包括協定は、観光振興などによる地域活性化や、地球温暖化対策の推進、防災対策の推進を軸として、相互に連携・協力をしていくことを含んだ内容となっている。カーシェアはその一環として進められる実証実験で、車両としては出光タジマEVが提供する超小型EV『ジャイアン』を小湊鐵道の上総牛久駅に2台設置。市民や観光客の移動手段として活用する。

この協定は、同市内に出光興産が製油所と石油化学工場を一体運営している千葉事業所が立地している縁で実現した。この日の締結式は同市牛久の小湊鉄道の上総牛久駅前で行われ、4月に発足させた出光興産・モビリティー戦略室の小林総一室長、市原市の小出譲治市長らが出席。両者が同席して協定書にサインした。

今回の協定で対象となるのは、超小型EVを軸として「観光振興などの地域活性化や、地球温暖化対策の推進、防災対策の推進を図り、その他相互に連携・協力することが必要と認められる事項に関すること」。今回のオートシェアはその第一弾として進められる。

挨拶に立った出光興産モビリティ戦略室の小林総一室長は「出光興産はオートシェアを新たな事業として位置付けており、超小型EVは手軽で安全、環境負荷が低い乗り物。動くバッテリーとして災害時に電源供給として役立つ。小湊鐵道の車両をモチーフとしたカラーリングとしたことで、利用者のSNSなどの発信を市原市や小湊鐵道と共有しながらの広がりに期待している」と述べた。

また、市原市の小出譲治市長は「市原市は成田/羽田両空港からほど近い距離にあり、首都圏からのアクセスも良い。その一方で小湊鐵道でお越しになられた方が、駅からの足がなく、市原市はラストワンマイル、二次交通が弱いと言われてきた。今回の事業を通じて利用者の動向を見ながら、今後の交通体系の施策に活かしていきたい」と挨拶した。

車両はエアコン付きで最高速45km/h。市原市内の一般道だけを走行できる

超小型EVは、一般乗用車よりもコンパクトで小回りが利くのが特徴で、地域の手軽な移動手段として注目を集めており、これまで出光興産はこのジャイアンを使って岐阜県飛騨市、高山市、千葉県館山市、南房総市でもオートシェアを展開してきた。市原市での今回のサービスは、それに続く第三弾となる。

超小型EVジャイアンは中国製で、輸入する際に出光興産の関連会社である出光タジマEVが日本市場に合わせた仕様変更を行っている。ボディはFRP製。定員は2名で、ヒーター付きエアコンを装備。最高速度は45km/h(エコモード時は30km/h)で、6~8時間の充電で最大130kmほど走行できる(エアコンを使用時は最大100km程度)。また、低速走行時の車両接近警報装置も備え、特別装備としてドライブレコーダーも装備する。

ステーションは上総牛久駅にあり、市内には養老渓谷など観光スポット近くに無料駐車場が25箇所用意された。利用料は15分250円、4時間3000円、8時間5000円。なお、本サービスは超小型EVを対象とした「地域限定制度」を活用しているため、市原市内のみの限定利用となる。高速道路の走行も不可となっている。

出光興産 モビリティ戦略室の福地竹虎さんは「今回のオートシェアは市原市長から関東運輸局に申請を行い、現時点で用意した車両は2人乗りのジャイアンだが、今秋にも出光タジマEVが開発中の4人乗り超小型EVの開発が終了する予定で、今後はこの車両の投入も視野に入れている」と語った。

《会田肇》

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