ヘルメットなしでも運用! 電動キックボードに試乗…シェアリングを Luup がスタート

Luupがシェアリングを提供する電動キックボード
Luupがシェアリングを提供する電動キックボード全 17 枚

マイクロモビリティのシェアリング事業を行っているLuupが、新たに電動キックボードのシェアリングサービスをスタート。政府の特例措置の元、国内初となるヘルメット着用任意の電動キックボードシェアリングとして、話題を集めている。

Luupはもともと同社のアプリを利用した電動アシスト自転車のシェリングサービスを展開していたが、今回のサービスもそこに追加される形で導入された。事前にアプリに免許を登録、安全や走行に関わるテストを受講してしておくことで、簡単に電動キックボードを借りることができる。

Luppの電動キックボードの特徴はいくつかあるのだが、その中でもやはりいちばん大きいのがヘルメットの着用が任意という点だろう。

電動キックボードは現在の道路交通法では原付き扱いとなるため、ヘルメットの着用が必須であり、公道では車道を走行しなければならないなど、気軽なシェアリングサービスとしてはなかなか普及しづらい状況となっていた。

だがこのたび、「マイクロモビリティ推進協議会」と関係省庁が議論を交わし、様々な実証実験が進んだ結果、特定の条件下ではあるが許可を受けた車両のみヘルメットの着用が任意、自動車レーンの走行可能と一部規制緩和を受けた。この「新事業特例制度」にもとづき、今回のヘルメット着用任意のシェアリングサービスが実現したという形になる。

従来の電動アシスト自転車と違い、サドルをまたぐことなく立ったまま乗れるため、スカートやスーツといった服装に気をつける必要がないことや、地面と足が近いので転びそうになってもすぐ足をつけるので安全な利用がしやすいなど、メリットがいくつか挙げられる。実際シェアリングを開始してから(4月23日から)のデータとして、女性の利用客が多いそうで、電動アシスト自転車とは違った層のニーズを獲得できていることが伺える。

都内で行われたプレス向け試乗会にて実際に乗ってみたところ、乗り方にややコツがいるものの、アクセルを開けた時の加速力はなかなかにパワフルで、坂道の登坂力もなかなかあった。同社も乗り方としていきなりアクセルを開けるのでなく、まず通常のキックボードと同じよう、足で地面を蹴って加速。両足を車体に乗せてから、アクセルで加速するよう指導している。

最高速度は規定として15km/hとなっているが、短い直線でもすぐ到達するくらいにはパワーがあるので、立ったままアクセルを開けると車体だけ走り出してしまう危険性があるためだ。

現在、シェアリング用の台数は100台あり、利用可能なレンタルポートは200カ所ほどとなっている。まずはレンタル実績のデータを見ながら、台数、ポートともに順次増やしていくそう。サービスが展開されている東京都渋谷区、新宿区、品川区、世田谷区、港区、目黒区の展開エリア内では、かなりの密度でポートが設置されている。

料金はスタート特別価格として初乗り10分が110円。以降、1分につき16.5円となっている。同社としては都内の短距離ちょい乗り移動をメインとして想定はしているが、カップルで長時間借りる人なども多いそう。スペック的にはバッテリーフル充電状態から45km程度走行が可能なので、やろうと思えば1日レンタルして長距離の移動もできるだろう(最も、立ったまま乗り続けるので疲れるため、長距離移動であればシェアサイクルの利用がオススメされている)。

今後については台数を増やすことに加え、夏までには大阪エリアでも電動キックボードのシェアリングが予定されている。また、2023年目標として、4輪でサドルもつけられる、さらに安全なモビリティの開発も行っているとのこと。

代表取締役兼CEOの岡井氏は「街中を“駅前”化する新しい移動インフラを創ることを目標としている。新しいモビリティを安全かつ便利に運用するため、新しい機体の実証、そしてシェリングサービスを通じて新しい移動方法の提供を行っていきたい」と語る。

《二城利月》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る