ソニー、エンタメの顧客10億人“囲い込み”…車載センサー事業も拡大へ[新聞ウォッチ]

ソニーのEV、NISION-S
ソニーのEV、NISION-S全 3 枚

4月1日付で社名変更したソニーグループが、2021年度の経営方針を発表した。ゲームや映画、音楽などのエンターテインメント事業を中心に、ソニーと直接つながりを持つような顧客基盤を、現在の1億6000万人から10億人に拡大することを目指すという。

また、将来的な成長に向け、2023年度までの3年間で2兆円の戦略投資枠を設定。知的財産ビジネスや先端技術、自社株買いに振り向ける方針で、家電などのエレクトロニクス事業に代わり、ソフト分野で稼ぐ姿勢を一段と鮮明にした格好だ。

吉田憲一郎会長兼社長CEOが、オンライン記者会見で新しい経営計画を発表したもので、きょうの各紙も「ソニー3年で2兆円投資」(読売)や「ソニー『10億人目標』顧客基盤強化を表明」(毎日)、「ソニー『10億人とつながる』、知財活用グループ一体」(日経)などのタイトルで報じている。

このうち、朝日は1面準トップ記事で「次世代の車ソニーも注力」と掲載。「自動運転の電気自動車をスマホで呼び出す---。そんな次世代のサービスを見据え、自動車産業が百年に一度とも言われる変革期に入った。商機と見たソニーグループが力を注ぐ」との書き出しで「米アップルの参入も取りざたされる。車メーカーを頂点とする日本の産業構造は、どうなるのか」などとぶち上げている。

記事ではグループの吉田社長は経営方針の説明会で「モビリティ―の安全の領域で貢献できる機会が増える」とのコメントとともに「ソニーは自動車部品の販売につなげる狙いを強調する一方、将来、EVそのものを一般向けに売り出す可能性を否定しない」と伝えている。

さらに、「自動運転には、周囲の把握のための半導体が欠かせない。その一つ『イメージセンサー』で、ソニーは世界の半分を握る。イヌ型ロボット、アイボやスマホの知見も生きる。クルマが『動くリビング』になれば、得意のエンタメを存分に提供できる」とも。半導体分野では、車載センサー事業を拡大する考えのようで、朝日も「ソニーは好機とみる」と指摘するが……。

2021年5月27日付

●ソニー3年で2兆円投資、21年度経営方針、ゲーム・音楽・映画へ、顧客10億人目標(読売・8面)

●日産に314億円賠償請求、100機関投資家「ゴーン事件で損失」(読売・29面)

●温室ガス2050年ゼロ法律に明記、改正法が成立(朝日・3面)

●半導体ウォーズ、ルネサス自動車依存のひずみ(朝日・6面)

●CASE揺らすピラミッド、ホンダ下請け「脱エンジン対応描けない」日本電産「モーター系列に関係ない」(朝日・7面)

●トヨタ、2.2万台リコール(朝日・29面)

●都知事「延長1か月程度」緊急事態宣言あす決定(産経・1面)

●ガソリン2年半ぶり高値(東京・6面)

●五輪ツアー販売再開、JTB、中止・無観客なら返金(日経・14面)

●CO2から素材デンソーが計画、30年度事業化目指す(日経・15面)

●はとバス、1億円に減資、税制上、中小企業に(日経・15面)

●ドライブレコーダー5割高。売れ筋価格帯「あおり」厳格化で、3.5~3.7万円(日経・24面)

●ケリー被告の「無罪明白」ゴーン元会長インタビューで主張(日経・38面)

《福田俊之》

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