話題のニューモデル、ダイヤトーン『DS-G400』のサウンド…実力を徹底チェック

ダイヤトーン・DS-G400
ダイヤトーン・DS-G400全 7 枚

6月8日にデリバリーが開始されるという注目のニュースピーカー、ダイヤトーン『DS-G400』。そのサウンドを確認する機会が得られた。2017年秋に『DS-G300』をリリースして以来となる同社久々の新作の、実力やいかに…。

見た目の印象は『DS-G300』と大きく違わない。しかし…。

5月18日に突如発表され、早速各所で話題を呼んでいるダイヤトーンの新・車載用スピーカー『DS-G400』(税抜価格:10万円)。その実機をメーカーより借り受けることが叶い、緊急テストを実施した。

テストに協力してくれたのは、千葉県流山市の実力ショップ、“サウンドエボリューション ログオン”。なお同店はデモボードが充実していることも強みとしていて、セッティングされている試聴用スピーカーの数はなんと計24機種。ここまで多くの製品を聴けるお店は、日本広しといえども同店くらいのものだろう。そしてその中には、ダイヤトーンの旗艦機『DS-SA1000』(税抜価格:67万円)とスタンダードモデル『DS-G300』(税抜価格:8万円)も含まれている。それらとも比較試聴が可能であることから協力を要請し快諾を得て、テストを行えることと相成った。

ところで『DS-G400』がどのようなスピーカーであるのかその概要は、当サイトでも5月19日に公開した速報記事にて紹介している。そしてそこでも記したとおり、当機の技術面での最大の注目ポイントは、ツイーターとミッドウーファーの振動板素材に車載用市販モデルとしては『DS-SA1000』にしか採用されていなかった「NCV-R」が使われていることだ。超ハイエンド機のために開発されたこのスペシャル素材が税抜価格10万円の当機に惜しげもなくおごられていることが、とにもかくにもトピックだ。

さて、このような大きな特長を持つ当機だが、試聴に先立ち実機を手にして、正直少々拍子抜けした。見た目が『DS-G300』と大きくは違っていなかったからだ。特に振動板は、表から見る限り色味も作りもほぼ同じような風合いだ。フレームの一部のカラーとエッジの質感は変化していてツイーターではダイレクターが変更されていることが見て取れたが、全体的にはあくまでもマイナーチェンジという印象だ。だがしかし、この印象はサウンドを聴いてあっさりと覆されることとなる…。

ダイヤトーン・DS-G400

『DS-G300』とのサウンドの違いは歴然。まったく別次元の音像が目前に展開!

まずは『DS-G300』の音から確認した。ちなみに試聴において使用した機材は以下のとおりだ。ともに“サウンドエボリューション ログオン”のデモボードに常設されている機材を組み合わせた。ソースユニットには『ダイヤトーンサウンドナビ NR-MZ300PREMI』(税抜価格:26万8000円)を、パワーアンプにはヘリックスの『C FOUR』(税抜価格:18万円)をそれぞれ使用した。

『DS-G300』の音はこれまでにも何度も聴いたことがあるが、当機はコストパフォーマンスが高いスピーカーだ。一聴したときの印象度の高さは相変わらずで、高音の切れ味が鋭くそして低域のパンチ力も十二分。どのようなジャンルの音楽を聴いても、聴き手を引き込む魅力的なサウンドを奏でてくれた。

ひとしきりその音を堪能した後、早速機材を入れ換えてもらった。『DS-G300』と『DS-G400』とはツイーター、ミッドウーファーともに同サイズなので、同じバッフルボードで試聴が可能だ。かくして『DS-G400』をセットし、音を出してみると…。

一瞬の出音で、歴然とした違いがあることを感じ取れた。価格差はわずかに2万円。そして見た目的にも大きく変わってはいないのに、実力差は想像以上に大きかった。別次元のサウンドが目前に展開されていた。

“サウンドエボリューション ログオン”の小溝さんはその音をこう評した。

「びっくりしました。『DS-G300』と比べて凄く良くなっていると思います。ひと言で言うと、品格が違いますね。全体的には重厚感があり、高域は至って繊細で粒立ちが細かく爽やか。とても心地良いです。音像の立体感も相当に上がっています。

つまりはシンプルに、スピーカーとしての性能が満遍なく向上しているということなのでしょう。そしてその上がり幅がとても大きい。情報量も増え解像度も高まっています。『DS-G300』も間違いなく高性能なのですが、進化は著しいですね。とても良いスピーカーだと思いました」

サウンドエボリューション ログオンのデモボード。

10万円台半ばのモデルと比べても引けを取らない。むしろ当機の方が好みだと言う愛好家も少なくないはず。

『DS-G400』にてさまざまなジャンルの音源を聴いてみたが、何を聴いても心地良かった。ジャズボーカルでは声が生々しく、ピアノやベースの音も生き生きとしている。ロックでは快活にビートを刻み低域も実に力強い。クラシックではオーケストラを荘厳に再現してみせた。

せっかくなので試聴ボードの他のスピーカーとも聴き比べてみたが、10万円を超えるモデルと比較してもまったくひけを取らない。10万円台の海外スピーカーはさすがにどれも個性があり、それぞれ独特の魅力でもって音楽を艶やかに味わい深く再現するが、『DS-G400』も負けずと秀麗なサウンドを奏でた。なお当機の場合は、あくまでも原音をそのまま再現することに徹している印象が強く、しかもそれをハイレベルにこなすので素材(音源)の良さをむしろしっかりと味わえる。至ってHi-Fi的なスピーカーという色彩が濃い。その点が好みにはまれば、数万円高価な他モデルよりもむしろ当機の方を気に入るはずだ。コスパの高さも『DS-G300』を凌駕している。

なおここまで音が良くなっている理由はやはり、「NCV-R」が使われているからだろう。見た目は大きく違わずとも中身は完全に別モノだ。この振動板素材はやはり凄い。

さらに『DS-SA1000』とも聴き比べてみた。当然ながらこちらはまさしく別格だ。このサウンドはこのプライスでないと出せない、そう思わせるだけの美麗さがある。しかしその後に『DS-G400』を聴き直してみても、がっかりする気持ちは感じなかった。これはこれで良いサウンドだと素直に思え、この音に浸っていたいという気持ちも萎えない。コストパフォーマンスが高いがゆえだろう。この価格でここまでの音が聴けるのであれば十二分、そう思わせるだけの実力が備えられている。

ミドルグレードスピーカーを選ぶ際には、『DS-G400』の音をチェックするのをくれぐれもお忘れなきように。そうしないと後悔することになりかねない。または、初めてのスピーカーとしてここまで触手を伸ばすのもアリだろう。これを手にしておけば、後からスピーカーのグレードアップをせずとも長きにわたってHi-Fiサウンドを満喫できる。

ヒットの予感は大だ。デリバリーが開始されお近くのカーオーディオ・プロショップにデモ機が入ったという情報を得たら、そのサウンドをご自身の耳で確認されたし。

話題のニューモデル、ダイヤトーン『DS-G400』のサウンドを徹底チェック。その実力とは…

《太田祥三》

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