ベントレー、ゲームと共用できるステアリングホイール開発…パイクスピーク2021参戦車に装着

ステアリングホイール中央のディスプレイに各種情報を表示

4.0リットルV8ツインターボは最大出力750hp

再生可能燃料で走る最初のレースがパイクスピークに

ベントレーとFanatecが共同開発したステアリングホイール
ベントレーとFanatecが共同開発したステアリングホイール全 17 枚
ベントレー(Bentley)は6月21日、実際のレースとレースシミュレーター(ゲーム)の両方に使用できるステアリングホイールをFanatecと共同開発した、と発表した。

◆ステアリングホイール中央のディスプレイに各種情報を表示

Fanatecは、フォースフィードバックステアリングホイール、ペダル、「PlayStation」、「Xbox」、パソコンベースのレーシングシミュレーター用のコックピットなど、専用のSIMレーシングハードウェアのリーディングブランドとして知られる。

ベントレーが発表したステアリングホイールは、『コンチネンタルGT3』のパイクスピーク国際ヒルクライム参戦レーシングカー、「コンチネンタルGT3パイクスピーク」に装着される。軽量のカーボンファイバーにマグネシウムを組み合わせており、多くの機能を備えている。

ステアリングホイールの中央には、ドライバーに重要なテレメトリやパフォーマンスに関する情報を表示するデジタルディスプレイがレイアウトされた。鍛造カーボンディスプレイベゼル、エンコーダ機能付きの2つの7ウェイ「FunkySwitch」スティック、光学エンコーダ付きのアルミ製サムホイール、4つの磁気パドル(2つはギアシフト用、2つは補助装置用)が採用されている。

このステアリングホイールは、一般向けにも販売される予定。ディスプレイ用のマウントが付属しており、ゲームに使用しない時は、このステアリングホイールを壁や机に飾ることができる。強固なハードトラベルケースも用意されている。

◆4.0リットルV8ツインターボは最大出力750hp

今年のパイクスピーク国際ヒルクライムに参戦するコンチネンタルGT3パイクスピークは、再生可能エネルギーのバイオ燃料で走行できるのが特長だ。エンジンはベントレーの実績のあるレーシングパワーユニットで、『コンチネンタルGT V8』用の4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンをベースにしている。エンジンのチューニングとバイオ燃料の使用により、パイクスピークの標高が高く酸素が不足する状態でも、エンジンが充分なパワーを発揮できるという。

このエンジンは、さまざまなチューニングを受けており、最大出力750hp、最大トルク102kgmを引き出す。2.2バール以上のブースト圧に対応するために、新設計のピストンとコンロッドが採用された。カーボンファイバー製インテークマニホールドも装着された。マフラーはボディ側面に移設されており、排気管の短縮を可能にした。排気音はドラマチックなサウンドを生み出すという。

さらなる変更として、リアウィンドウの代わりに冷却用エアスクープが装着された。リアウィンドウのエアスクープは、トランクリッドのダクト奥のもうひとつのラジエーターに空気を送り込む。このシステムは、専用の水ポンプで作動する。リアのドライブシャフトの直径は、耐久性を高めるために拡大されている。

◆再生可能燃料で走る最初のレースがパイクスピークに

ベントレーの新しいプロジェクトでは現在、さまざまな混合燃料がテストされており、温室効果ガスが化石燃料よりも、最大85%削減される可能性があるという。ベントレーの顧客に持続可能な燃料を提供するという目標に先立ち、ベントレーが再生可能燃料で走る最初のレースが、パイクスピーク国際ヒルクライムとなる。

ベントレーは2019年のパイクスピーク国際ヒルクライムに、『コンチネンタルGT』で参戦した。リース・ミレン選手のドライブにより、10分18秒488のタイムで駆け上がり、パイクスピーク国際ヒルクライムの市販車部門の新記録を樹立している。

その前年の2018年には、ベントレー『ベンテイガ』が、パイクスピーク国際ヒルクライムにおいて、最速のプロダクションSUV記録を達成した。ベントレーは、パイクスピークでのトリプルクラウン(3勝)を完成させるために、新記録を目指す。今年のパイクスピーク国際ヒルクライムは6月27日、決勝レースが開催される予定だ。

《森脇稔》

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