【ヤマハ ボルト R-SPEC 試乗】空冷狭角Vツインはハーレーだけじゃない…丸山浩

高級感がある「ボバースタイル」のバイク

左右が非対称でなんとも個性的

941ccエンジンが奏でるサウンドが魅力

日本人でも無理なく乗れる本格アメリカンクルーザー

ヤマハ ボルト R-SPEC ABS
ヤマハ ボルト R-SPEC ABS全 24 枚

空冷狭角Vツインエンジンの大型クルーザー。なるほどハーレーね、と早合点してしまいそうになるが「ちょっと待ってくれ。オレがいるじゃないか」と、控えめながらも確かに主張してくるヤツがいる。それが、このヤマハのクルーザー『ボルト R-SPEC ABS』だ。

高級感がある「ボバースタイル」のバイク

ヤマハ ボルト R-SPEC ABSヤマハ ボルト R-SPEC ABS
見た目は如何にもクルーザーといった風ではなく、ハンドルやフェンダーを切り詰めた形のいわゆる「ボバースタイル」のバイク。アメリカの長い直線をひたすら走るというよりは、ストリートを颯爽と駆け抜ける雰囲気の方がしっくりくる。

デザインなんかも凝っていて、シートには高級感があるし、そのすぐ近くには金色に輝くリザーバータンク付きリアショックが装備されている。さらには、エンジンの冷却フィンやホイールにはアルミの切削加工が施されていたりして、金に銀になんとも色とりどりな輝きを見せてくれる。

左右が非対称でなんとも個性的

ヤマハ ボルト R-SPEC ABSヤマハ ボルト R-SPEC ABS
足つきは700mmを切っているので168cmの私だと膝が曲がるくらい余裕。もう、これなら誰でも乗れるんじゃないかと思ってしまうが、そんな安心感に一役買っているのはこのシートの絞り込みだろう。ただ、いざステップに足を乗せてみると、「おや?」と感じるところがある。

ステップはミドルということで、多少足を前に出すのだが、そうすると右膝にはエアクリーナーカバーが、左膝にはエンジンヘッドがそれぞれあたるのだ。左右が非対称でなんとも個性的で愛らしい。

そんなポジションから上半身を直立させ手をのばしてみる。すると、私ではハンドルに若干手が届かず、少し前傾する形となる。この程よい前傾姿勢が、まさしくボバースタイルといった雰囲気である。

941ccエンジンが奏でるサウンドが魅力

ヤマハ ボルト R-SPEC ABSヤマハ ボルト R-SPEC ABS
コイツの真骨頂はその心臓部にある。ボルトのエンジンは空冷60°VツインのSOHC4バルブで、総排気量は941cc。このエンジンが奏でるサウンドが、ボルトの大きな魅力の一つだ。セルを回してエンジンをかけると、ドドッ、ドドッ、ドドッっという低音が響く。

アイドリングを聞いていると、「あれ、止まっちゃうんじゃないの?大丈夫?」みたいな頼りなさがあるが、これが60°Vツインのいいところ。そしてエンジンを回せばちゃんと力強いパルスで答えてくれる、まさにエンジンと共に在るバイクといった感じだ。

日本人でも無理なく乗れる本格アメリカンクルーザー

ヤマハ ボルト R-SPEC ABSヤマハ ボルト R-SPEC ABS
日本のメーカーが作った空冷60°Vツインクルーザー、ボルト R-SPEC ABS。オートクルーズやトラコンなど、イマドキの電子制御は付いていないが、だからこそありのままのエンジンを堪能できる今や貴重な存在のバイクなんじゃないだろうか。私も試乗しているだけで無く、つい寄り道でもして帰りたくなる、そんな癒やされるエンジンフィールを持っている。

日本人の体格で無理なく乗れるこの本格アメリカンクルーザーは、ありのままのバイクを楽しみたい老若男女に間違いなくおすすめできるバイクだ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
コンフォート:★★★★★
足着き:★★★★★
オススメ度:★★★★★

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

《丸山浩》

丸山浩

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー 1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

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