60-70年代に咲き誇った国産クーペの華たち【懐かしのカーカタログ】

日産サニークーペ
日産サニークーペ全 6 枚

1960年代終盤から70年代にかけて、ハードトップとともに、国産クーペのスタイリッシュで印象的なモデルが多数登場した。それらを少し振り返ってみたい。

日産サニークーペ(1968年)

日産サニークーペ日産サニークーペ
1966年、『カローラ』と同じ年に登場した『サニー』。そのクーペ・バージョンは、ライバルよりも1か月早い登場だった。この時代なので2ドア自体はセダンにも設定があったが、クーペはよりスマートな“魅惑のF.B.ルック(カタログより)”と表現されたファストバックスタイルを採用。トランクスペースは室内とは貫通式。給油口はリヤのライセンスプレートの裏側に。

カローラ・スプリンター(1968年)

トヨタ・カローラスプリンタートヨタ・カローラスプリンター
前年の第14回東京モーターショーに“カローラクーペ”として参考出品、翌年、『カローラ・スプリンター』として発売された。カタログ写真のブルーのクルマは“デラックス”だが、トップモデルの“SL”は73psの110ccツインキャブ仕様で、最高速度160km/h、0-400m加速17.5秒を誇った。SLはスポーティ&ラグジュアリーの意味。

ブルーバード・クーペ(1968年)

日産ブルーバード・クーペ日産ブルーバード・クーペ
1967年に登場した3代目、510型『ブルーバード』。そのバリエーションとして、ライバル車の『コロナ』がハードトップに対抗して設定されたのがこのクーペだった。2ドアセダンよりリヤウインドゥを傾斜させたスタイルがスマートで、外観上では何といっても“流れるウインカー”の採用がポイント。“SSS(スリーエス)”は、SUツインキャブ仕様のL16型1.6リットルエンジンを搭載し、100ps/13.5kgmを発揮。ポルシェタイプの4速フルシンクロミッションの組み合わせ。

マツダ・カペラロータリークーペ(1970年)

マツダ・カペラマツダ・カペラ
『コスモ・スポーツ』『ファミリア・ロータリークーペ』『ルーチェ・ロータリークーペ』に続く、ロータリーエンジンの搭載を前提に開発されたのがこの『カペラ』。ほかにセダンも用意があり、両ボディにレシプロエンジン(クーペは1.8リットル)も設定された。ロータリーエンジンは当時の公害対策を施した“マツダAP”の12A型。573×2ccで、マイナーチェンジ後の写真のカタログの諸元表で125ps/16.5kgmの性能。マニュアルミッションには5速(GSII)と4速(GS)が設定されていた。

マツダ・サバンナ(1971年)

マツダ・サバンナマツダ・サバンナ
兄弟車にレシプロエンジン搭載の『グランドファミリア』を用意し、『サバンナ』はこの初代からロータリーエンジン専用車だった。写真のカタログは後期型で、初期型が10A型だったのに対し、この後期型のAPは(昭和)51年排出ガス規制適合車として12A型を搭載。125ps/16.5kgmの性能をもち、0→400m加速15秒台(2名乗車、GT)を誇った。セダン、ワゴンの設定があったことも注目だった。

ホンダ・クーペ(1970年)

ホンダ・クーペホンダ・クーペ
セダン登場の翌年、1970年に登場したのがこのクーペ・シリーズだった。写真のパンフレットの世代ではまだ丸型4灯の“ダイナミックシリーズ”と丸型2灯の“ゴールデンシリーズ”の用意があり、参考までに写しておけば、セダンの“77”とゴールデンシリーズのマスクは共用だったことがわかる。ダイナミックシリーズに設定された1.3リットルの高性能版(GTL)は4キャブ仕様で110psを発生した。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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