アストンマーティンのハイパーカー『ヴァルキリー』、ヒルクライムに出走へ…グッドウッド2021

6.5リットルV12エンジン+モーターで1160hp

エンジンがシャシーの一部として機能

カメラ映像を左右のAピラー下のディスプレイに表示

アストンマーティン・ヴァルキリー
アストンマーティン・ヴァルキリー全 8 枚

アストンマーティンは7月5日、英国で7月8日に開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、新型ハイパーカーの『ヴァルキリー』(Aston Martin Valkyrie)がヒルクライムに出走すると発表した。今年のヒルクライムは、7月10日の予定だ。

6.5リットルV12エンジン+モーターで1160hp

ヴァルキリーには、軽量構造のミッドシップ2シーターのボディに、新設計の6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンを搭載する。アストンマーティンとレッドブルレーシングのテクニカルパートナーシップによる成果として共同開発され、アストンマーティン特有のスポーツカーデザインと、レッドブルレーシングが持つ最先端のF1技術を融合させた1台となる。

ヴァルキリーのエンジンは、コスワースが開発を手がけた。モータースポーツ向けエンジンで豊富なノウハウを持つコスワースの最新技術が、ヴァルキリーのエンジン開発に注がれている。ヴァルキリーのハイブリッドパワートレインのスペックは、6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンが、最大出力1000hp/10500rpm、最大トルク75.5kgm/7000rpmを引き出す。

このエンジンに、モーターの最大出力160hp、最大トルク28.6kgmが加わる。モーターは、インタグラルパワートレイン社、軽量ハイブリッドバッテリーシステムはリマックが開発した。F1マシンのような「KERS」スタイルのブーストシステムとなる。エンジンとモーターを合わせたハイブリッドパワートレイン全体では、1160hpのパワーと91.8kgmのトルクを獲得する。0~96km/h加速は2.5秒以下となる。

エンジンがシャシーの一部として機能

このV12エンジンは、シャシーの一部として機能するための剛性を備えている。ヴァルキリーはエンジンを取り外すと、前輪と後輪を接続するコンポーネントがなくなるのが特長だ。

ヴァルキリーでは、ティアドロップ(水滴)型をしたコックピット上面と、丸みを帯びたサイドパネルが、コクピットフロアの両側を走る巨大なベンチュリトンネルを包み込むように輪郭を形成している。これらのトンネルは、大量のエアをボディの下側に取り込んでリアのディフューザーへ送る役割を果たす。これにより、ボディにスタイリングを犠牲にするような追加の空力デバイス取り付けることなく、高いレベルのダウンフォースを生み出すことに成功しているという。

室内スペースを最大限確保するため、シートは直接フロアに取り付けられる。乗員は、F1やルマン・プロトタイプのレースカーのように、身体を傾斜させて足を持ち上げたシートポジションを取る。結果としてドライバーと助手席乗員は、車両との一体感が味わえる設計とした。シートベルトは、4点式を標準装備する。サーキット走行を行う顧客のために、6点式シートベルトもオプションで設定されている。

カメラ映像を左右のAピラー下のディスプレイに表示

フルデジタルのコックピットを採用する。すべての操作スイッチをステアリングホイールに集約して、LEDスクリーンに運転に必要なすべての情報を表示する。ステアリングホイールは着脱が可能な設計になっており、ドライバーの乗り降りを容易にするとともに、盗難防止にも役立つという。

また、ヴァルキリーはドアミラーを廃止し、ボディの両側にリア方向を映し出すカメラを設置するミラーレス車となる。カメラが捉えた映像は、左右のAピラーの下に設置されたディスプレイに表示される。ヴァルキリーは、全体を包み込むようなボディワークとルーフに設置されたエアインテークにより、リアウインドウが存在しない。そのため、室内にはルームミラーも装備されていない、としている。

《森脇稔》

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