BMWの新型燃料電池車、最新プロトタイプ発表へ…IAAモビリティ2021

トヨタと燃料電池を共同開発

SUVのX5をベースにした燃料電池車

第5世代のEVパワートレイン「eDrive」

BMW i ハイドロジェン NEXT のプロトタイプ
BMW i ハイドロジェン NEXT のプロトタイプ全 14 枚
BMWグループは7月19日、ドイツ・ミュンヘンで9月に開催される「IAAモビリティ2021」において、2022年後半に発売予定の新型燃料電池車、BMW『iハイドロジェンNEXT』の最新プロトタイプの実車を初公開すると発表した。

IAAモビリティ2021は、従来のフランクフルトモーターショーが開催地をミュンヘンに移動し、リニューアルするものだ。

◆トヨタと燃料電池を共同開発

BMW i ハイドロジェンNEXTは、BMWグループが取り組むゼロ・エミッション・モビリティの方向性を提示し、また世界中の顧客の移動手段の必要性に対して、さまざまな駆動技術を用意するための研究の成果になるという。

水素燃料電池技術は燃料の補給が短時間に行え、航続が長く、従来型の動力を搭載する車両と同等の利便性と多用途性が得られるため、大きな可能性がある。BMWグループは、2013年に始まったトヨタ自動車との協力の一環として、水素燃料電池駆動システム分野の開発を推進している。

両社は、製品開発協力協定のもと、水素燃料電池自動車向けの燃料電池パワートレインシステムとスケーラブルなモジュール式コンポーネントに取り組むために力を合わせている。トヨタとの協力による燃料電池は、BMWグループが開発した燃料電池スタックやシステム全体とともに、BMW i ハイドロジェンNEXTに搭載される予定だ。

◆SUVのX5をベースにした燃料電池車

BMW iハイドロジェンNEXTは、SUVの『X5』をベースにした燃料電池車だ。BMW i ハイドロジェンNEXTのデザインには、X5をベースにしながら、革新的で持続可能なキャラクターに焦点を当てたアクセントを細部に取り入れる。市販モデルの外観には、BMWの「i Blue」のパターンが添えられる予定だ。アルミホイールも専用デザインとなり、燃料電池車であることを示すという。

リアには、BMWの「i Blueディフューザー」が装備される。エキゾーストテールパイプのないデザインは、ゼロエミッション車であることを明確に強調している。

i ハイドロジェンNEXTは、水素燃料電池テクノロジーを、BMW X5のようなSUVに効率的に搭載できることを証明している。車両の設計にわずかな変更を加えることで、BMW iモデルとして認識できるようになるという。

◆第5世代のEVパワートレイン「eDrive」

BMWグループの第5世代のEVパワートレイン、「eDrive」が搭載される。電気モーターは最大出力374hpを引き出す。374hpのパワーは、BMWの最も強力な直列6気筒ガソリンターボエンジンの出力に相当する。これにより、BMWブランドらしいドライビングダイナミクスを可能にしているという。モーターの上に配置されたバッテリーは、追い越しや加速時にブースト電力を供給する。

BMW iハイドロジェンNEXTの燃料電池システムは、水素と酸素の化学反応によって、最大170hpの電気エネルギーを生み出す。燃料電池の下にレイアウトされる電気コンバーターは、電圧レベルを電動パワートレイン、ブレーキエネルギー、燃料電池からのエネルギーによって供給されるバッテリーの両方の電圧レベルに適合させる。

BMW iハイドロジェンNEXTには、700バールの水素タンク2個が搭載されており、CFRP製のこのタンクには、最大6kgの水素を積むことができる。水素の充填にかかる時間は3~4分だ。BMWグループは、気象条件に関係なく長距離を走行できる、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツ『GLC』新型、航続713kmのEVとして登場…IAAモビリティ2025
  2. 「スズキがちょっと大きいSUV出してきた!」新型SUVの『ビクトリス』、日本のSNSでも「ちょうどいいサイズ」と話題に
  3. ダイビングで拾ったゴミとMITSUBISHIトライトンで見つけた新しい相棒関係PR
  4. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  5. 「手組みのエンジン!?」65万円のマツダ NDロードスター用「リビルドエンジン」にSNSで期待の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る