86/BRZ ワンメイクレースでレジェンド小暮選手が苦戦!!…挑戦開始

TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ RACE 2021 第4・5戦 レカロレーシング
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ RACE 2021 第4・5戦 レカロレーシング全 62 枚

国内屈指の参加台数と難しさを誇るTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ RACE 2021に、最後の大物ドライバーである小暮卓史選手が参戦。初めてのカテゴリー参戦で苦戦をしているが楽しんでもいる(7月24~25日、スポーツランド菅生)。

2013年から始まり、いまなお参加台数が増えて、現在はプロクラス、クラブマンエキスパート、クラブマンオープンと3クラスで争われている86/BRZレース。なかでもプロクラスはSUPER GTやスーパーフォーミュラなどで戦う、国内トップクラスのドライバーが参加し、ハイレベルな戦いが行われている。

86/BRZレースはトヨタ『86』とスバル『BRZ』をベースに、最低限のレーシングカスタマイズのみが許され、ライバルとの差をつけるのはタイヤ・ホイール・ブレーキパッドなどのパーツ選びとセッティングの違いだけとなる。

そのプロクラスに大物ドライバー、小暮卓史選手が909号車RECARO BRZ DL Tで参戦を開始した。小暮選手と言えば、長年ホンダワークスドライバーとして様々なカテゴリーで優勝を重ねた、誰もが認めるレジェンドドライバーだ。その小暮選手が国内でもかなり難しいカテゴリーである、86/BRZレースに参戦するとあり、注目を浴びている。

TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ RACE 2021 第4・5戦 レカロレーシングTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ RACE 2021 第4・5戦 レカロレーシング

小暮選手は参戦を決めるまで1年ちょっと悩んだと言う。いざ参戦するとなるば、自分が走るのに自信を持って挑める、スポーツランド菅生での参戦へ照準を定めて準備をしてきた。そんな小暮選手をもってしても、予選は1分41秒181で24台中23位という結果になった。

そんな小暮選手は「菅生に照準をあわせて、チームも前からテストを何回もしてくれました。ワンメイクレース経験の無い自分にとっては大変助かりました。テストでは良いタイムも出ていたのですけど、実際のレースで走り始めたら思うように行かないんです。他のカテゴリーとは違う走らせ方やタイヤマネジメントなども、まだ分かってない部分もあります。菅生は自信があったんですけどね、今日(24日予選終了後インタビュー)走ったことでちょっと自信が無くなりました」と、ワンメイクレースゆえの難しさに直面しているそうだ。

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24日に行われた第4戦の決勝レースは、後方の23位からスタートして徐々に順位をあげて17位でフィニッシュをした。その結果について小暮選手は「良い勉強になりました。86/BRZレースの一端を見てきました。今回は2レースを1タイヤで走りきらないと行けないので、タイヤマネジメントはしていましたが、1回ミスをすると後ろに下がってしまうので、いかにミスをしないように走らないとダメですね。もっと上位でバトルを楽しめるようにしたい」と感想を語った。

チームをまとめるレカロレーシングの前口マネージャーは「1年ちょっとかけて小暮選手にチームに来てもらいました。チームの基礎を固めるときに協力してもらった佐々木孝太選手、どんな時でもブレない井口卓人選手、そして頂点を知っている小暮選手と3本柱が出来たことで、チームとしての幅も出来てきたと思います。小暮選手はこのレースは難しいのが分かっている、パッと出てパッと勝てるレースでは無い、今自分が出るとチームに迷惑を掛ける。として参戦を固辞されましたけど、チームとしても上を目指すためにも必要なドライバーとして来てもらいました」と参戦経緯を語ってくれた。

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チームテントでも、佐々木・井口両ドライバーにアドバイスを求めたり、データロガーや車載カメラを何度も見返している姿も見られた。貪欲に上位、優勝を目指す姿が見られる。そんな小暮選手に対してこのカテゴリーでは先輩となる佐々木選手は「小暮選手はレジェンドドライバーですけど、このカテゴリーは初めてなので、情報共有などはしっかり行い、伝えられることがあれば惜しみなく伝えています。今は苦労しているかもしれませんが、どこかで飛び抜けるかもしれません。チーム力も上がっていて雰囲気も良いと思います」と語る。

同じくレカロレーシングで走る井口選手は「BRZが増えるのは純粋に嬉しいです。実績を持っているドライバーですので、どういったレースを組み立てるのか興味もありますし、いっぱい練習をしている姿も見ています。優勝を狙う気持ちだと思うので、どのような走りをするのか気になります。一緒に走れるのは嬉しいですしワクワクします。3人とも菅生は好きなので、結果を残したい」と語る。

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小暮選手の長年ホンダワークスドライバーとしての実績は語りきれないが、群馬県出身ということもあり、実はスバル車も複数所有したりスバル関係の友人が多いともいう。今回は86ではなくBRZをチョイスしたのもそういった理由があったからだ。群馬県のスバルディーラーである富士スバルが、チームにディーラーメカニックを派遣しメンテナンスなども手伝っている。トヨタディーラーが多くチームを立ち上げ参戦しているなかで、スバルチームは少ないがこのレースでの経験が一般整備にも役立っていると言う。

25日に行われた第5戦決勝で小暮選手は、同じく23位からスタートし徐々に順位を上げて18位でフィニッシュした。「もうちょっと上に行きたかったというのが正直な感想です。技術的にもっと習得しなくてはいけないことが多いし、今の順位では満足していない。レース自体はエキサイティングで楽しめました。次戦は十勝なのですが、少し時間があるので、何かいきなりバンと上がる訳では無いですけど、順位を上げていきたい」と2レースを戦い終わって感想を述べた。

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1/100秒の中に10台以上のマシンがひしめき合う、国内まれにみる混戦が繰り広げられているレースでの、レジェンドドライバーの戦いはこれから始まる。

《雪岡直樹》

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