【ランドローバー ディフェンダー 新型試乗】直6ディーゼルの上質感は「半端ない」…吉川賢一

待望の直6ディーゼル

悪路であるほど本領を発揮する

2.0リットル仕様じゃ物足りなくなる

ランドローバー ディフェンダー 110 D300
ランドローバー ディフェンダー 110 D300全 33 枚

待望の直6ディーゼル

ランドローバー ディフェンダー 110 D300 と 90 P300ランドローバー ディフェンダー 110 D300 と 90 P300
全幅1995mm、全高1970mmの巨大なボディを持つ、ランドローバーの新型『ディフェンダー』。3ドアの「90」、5ドアの「110」、どちらもその巨体から溢れる逞しさと、堅牢感は半端ない。

箱型ボディにマッシブなフェンダー、立ち上がったフロントウィンドウ、水平なショルダーライン、切り立ったテールなど、「オフローダーの最高峰」こと、初代ディフェンダーのデザインをオマージュし、現代技術で蘇らせたらこうなるだろうな、という印象そのものだ。ちなみに、2021年度のワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

ランドローバー ディフェンダー 110 D300ランドローバー ディフェンダー 110 D300
今回のディフェンダーのホットポイントは、待望の3.0リットル直列6気筒ディーゼルターボエンジンをラインアップに加えたことだ。パワーは最高出力300ps、最大トルクはなんと650Nmにもなる。ディフェンダー110の車両重量はおよそ2.4トンとそれなりにヘビーにもかかわらず、実に走りが軽い。巨大なマンモスが猛烈に突進してくるような、そんな雰囲気がある。

悪路であるほど本領を発揮する

ランドローバー ディフェンダー 90 P300ランドローバー ディフェンダー 90 P300
ランドローバージャパンが試乗コースとして設定した道は、普段のクルマならば絶対に走ることはできない、岩の落ちた野道と、池の回りを走るぬかるみ路だ。

乗り込むため、ディフェンダーのドアを開けると、「シュッ」という空気の抜ける音がする。クルマの気密性が高い証拠だ。それもそのはず、ディフェンダーの最大渡河水深は900mm(エアサスの場合)。浅めの川ならば渡っても、水が浸入することはない。例え車外が嵐や台風でも、車内は涼しい顔で過ごせるのだ。

握りこぶし大の岩がゴロゴロと落ちている坂道は、ディフェンダーが繰り返し走ったことで道が荒れ、さらには土砂降りという絶好(!?)の悪天候も相まって、流れ出した土で路面はドロドロ。だが、そんな悪路であればあるほど、ディフェンダーは本領発揮するのだから凄い。「何処でも走る」という精神的余裕は、何事にも代えがたい安心感となる。

2.0リットル仕様じゃ物足りなくなる

ランドローバー ディフェンダー 110 D300ランドローバー ディフェンダー 110 D300
しかもこの直6ディーゼル、振動の少なさや回転フィールなど、上質感が半端なく、初代ディフェンダーのやや粗暴なイメージとはかけ離れている。従来仕様の2.0リットル直4ターボでも十分という方もいるが(実際、十分な走破性を持っている)、オンロードの一般道や高速道路などで直6ディーゼルの旨味を味わってしまうと、2.0リットル仕様が物足りなくもなる。もはやゼイタク病だ。

たとえば、ディフェンダーを購入された方向けに、オフロード体験会などを企画していただけると、よりディフェンダーを楽しむことができるのではないか、と思う。ディフェンダーを手にしたオーナーに、「オーナーになってよかった」と味わっていただければ、リピーターを集める近道にもなると思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★★

吉川賢一|自動車ジャーナリスト
元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。

《吉川賢一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  3. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  4. 「見れば見るほど味が出てくる」新型日産『リーフ』のエクステリアがSNSで話題に
  5. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る