JR東海は8月4日、新幹線車両の台車不具合などを再現し体感できる教室設備を5月28日から稼働したことを明らかにした。
この設備は『S-sense』(エッセンス)と呼ばれるもので、JR東海が2013年度から全社的に取り組んでいる「安全の本質を探究する運動」の一環として、大阪台車検査車両所(大阪府摂津市)台車検修庫内の約180平方m部分に設けられた。
エッセンスでの教育は、近年、JR東海で世代交替が進み、実際に台車の不具合を体験したことがある社員が減少してきたことから、不具合が発生する過程を可視化することにより「ルールや基本動作が重要なこと」に対する理解を深めることが狙いで、新幹線車両の台車検査・修繕に関わる社員や関係会社の社員を対象としている。
設備は運転事故防止を図るための「作業本質エリア」と、労働災害防止を図るための「安全本質エリア」に分かれており、前者ではルールや基本動作を遵守しなかった際に生じる現象を、後者は機械による狭窄や重量物落下の状況を再現。いずれも装置には廃車車両の部品などが用いられている。
作業に潜む危険性を体感できる安全本質エリア。JR東海ではこのエッセンスを通して「引き続き、安全の本質を社員がより深く理解するための取組みを充実させ、安全最優先の文化を醸成し、安全・安定輸送をお客様に提供していきます」としている。