暑いですね。レスポンス読者に怖い話を持ち寄ってもらいました。みんなで涼しくなりましょう。男は黙ってLクラスステーションワゴンさんが学生だった頃のお話し。その当時はハイソカーブームでした。噂を噂で終わらせずに、実際に確かめよう、と。
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前期試験が終わり打ち上げの前にドライブでもしようとなった。どうせなら前々から噂の心霊スポットに条件をそろえて行こうと決まり、白のセダンに5人乗り込み現地に向かった。付近の駐車場に着き、それぞれ自動販売機で飲み物を買い喉ををうるおしたところで緊張のなか、噂のスポットに突き進んでいった。
気味が悪い細い山道を数km走りスポットに到着したが、何も起こらなかった。駐車場まで戻り「もう一度行ってみよう」と行ってみたが同じく何も起こらない。それから数回往復したが、やはり何も起こらなかった。
田舎道を制限速度を超えて何往復もしたので、近くの住民が通報したのだろう。駐車場にパトカーが止まっていて2人の警官が立ち、停車を求められた。「何ですか?」ととぼけてみると、1人の警官から全員降りるよう促された。もう1人の警官は車内を物色し始めトランクまで開けて何かを確認していた。
「乗っていたのは、ここにいる5人だけか」と聞かれ「はい」と答えた。「誰かをどこかで降ろしてないか」「ずっと5人で乗っていたか」とたて続けに聞かれた。5人とも困惑気味に「間違いありません」と答えると、「屋根の上に人を乗せて、山道を何往復もしている車があると通報があった」と車内を調べていた警官が言った。
【怪談2021】
林道のコーナーの老婆
踏切にいた白髪の老婆