E/Eアーキテクチャの動向とインフィニオンの強みとは…インフィニオン テクノロジーズ ジャパン 楠本正善氏[インタビュー]

E/Eアーキテクチャの動向とインフィニオンの強みとは…インフィニオン テクノロジーズ ジャパン 楠本正善氏[インタビュー]
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カーボンニュートラルに向けた電動化や自動運転のためのセーフティ要求、車両通信、車両セキュリティ要求によって、自動車のE/Eアーキテクチャは変化を続けている。欧州と日本におけるこのE/Eアーキテクチャ(電源系と車内ネットワーク系)の動向とインフィニオンの強みについて、インフィニオン テクノロジーズ ジャパン 株式会社 オートモーティブ事業本部 MCビジネスユニット テクニカル マーケティング担当 シニアディレクターの楠本正善氏に聞いた。

9月29日に無料のオンラインセミナー 「カーボンニュートラル・EVを中心としたCASEのグローバルメガトレンド」が5つのテーマで開催され楠本氏が登壇します。

インフィニオンのユニークな強みとは

---:インフィニオンと言えば、車載半導体のサプライヤーとして有名ですね。

楠本氏:そうですね。製品は自動車向けに限らず展開していますが、ドイツの企業ということもあって、 自動車向けの比重は高いですね。なかでも特にマイクロコントローラー(マイコン・MCU)については非常にユニークな会社です。

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マイクロコントローラーは、簡単に言うと頭脳の役割です。頭脳が現実に仕事をするためには手足が必要になりますよね。マイクロコントローラーの手足と言えば、センサーやパワー半導体などがそれにあたります。マイクロコントローラーを手掛けている企業としてルネサスやNXPが有名ですが、両社に比べて、 頭脳だけでなく、手足が揃っているのがインフィニオンのユニークなところです。

当社の製品ポートフォリオとして、Sense(センサー)、Compute(マイコン、メモリ)、Actuate(パワー半導体)と呼んでいますが、この3つが揃っていることによって、自動車半導体の世界でリーディングポジションを取ることができています。

---:車載のマイクロコントローラーで実績のある企業なのですね。

楠本氏:マイクロコントローラーのシェアは売り上げベースで世界3位です。またパワー半導体は1位、センサーは2位のポジションを維持していますので、トータルで自動車向け半導体の世界1位ということですね。

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マイクロコントローラーは世界3位という良い位置につけていて、自動車の世界に貢献できるポジションにあり、マイコンだけでなくシステムをトータルで提案できる会社であること、これがインフィニオンの強みです。

---:車載用半導体の市場全体も成長していますね。

楠本氏:電動化、自動運転、コネクティビティ、そして必然的に必要になってくるセキュリティ、こういったものが自動車の世界のメガトレンドとなっています。

電動化によって半導体の搭載量がどんどん増えていますし、車のメカのコストダウンをいくら頑張っても、それ以上に電気のコストが増えていくという大変な状況です。電気がメカのコストダウンに貢献しているのも事実ですが。自動運転の観点からみても同じで、やっぱり半導体の搭載量がどんどん増えている。ワイヤーハーネスを見ると電気が増えていることを見て取ることができます 。ですので、基本的な構想、E/Eアーキテクチャから考え方を変えなくちゃいけないという状況が生まれています。考えかたを変えて、電気を整理しましょうという動きです。

このようなE/Eアーキテクチャの変化や電動化、自動運転など、メガトレンドの変化をインフィニオンがサポートしていきたいと考えています。

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---:御社はそれを幅広くサポートできるソリューションがあるということですね。

楠本氏:センサー、マイコン、パワーデバイスのほかに、車載の組み込み用フラッシュメモリーでもシェアトップです。フラッシュメモリーと言えば、コンシューマー向けの製品がよく知られていますが、それとは別に車載の組み込み用のフラッシュメモリーの市場がありまして、その中でインフィニオンがナンバー1ということです。コンシューマー向けの大容量フラッシュメモリーとは違う回路を持つNORフラッシュメモリーという製品で、大容量ではなくスピードを追求したものです。

そしてその先のコネクティビティであるUSBやBluetooth、Wi-Fiといった製品も展開しています。Sense/Compute/Actuateに加えてConnectivityまで、始めから終わりまで、車に必要な半導体ソリューションを全部持っているんです。

---:その幅広さが強みになっているのですね。ドイツ系OEMでの採用実績が多いのですか?

楠本氏:具体的な自動車メーカーの名前は言えませんが、ドイツだけではなく日本のOEMでもたくさん採用されています。

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車載半導体のトレンド

---:このところの脱炭素の流れもあって、電動化がいま大きなトレンドになっていますね。

楠本氏:そうですね。特にパワー半導体は注目度が高いですね。車載向けのパワー半導体も色々な種類がありますが、いま一番注目されているのがシリコンカーバイドや窒化ガリウムのパワーデバイスですね。最近スマートフォンのUSBチャージャーに窒化ガリウムが使われるようになって、ものすごく小型化していますよね。こういうパワー半導体を使うと、効率が良くなり、熱をあまり出さなくなるため、変換ロスが少なくなるので、小さくできるのです。小さいことは圧倒的正義で、車の世界でももちろんすごく重要なことです。

このような電動化に加えて、いわゆるIoTの技術が車の中に入ってきていて、また自動運転の技術もどんどん進化しています。そういう状況で、E/Eアーキテクチャの進化も当然ながら加速しています。

1つの事例として、例えばゲートウェイECUがあります。車が持っているいろいろな機能をヨコに繋ぐことが求められるようになっており、例えばそこに対して、頭脳となるマイクロコントローラーのAURIXシリーズやTRAVEOシリーズといった製品群を用意していますし、またNORフラッシュメモリーも持っています。

それと同時に、ゲートウェイに必須のセキュリティについても、マイクロコントローラー内蔵のHSMに加えて、セキュリティICを提供しており、繋ぐための物理電気的半導体「トランシーバー」も持っています。我々は、ゲートウェイという車の肝となる機能に対して一通りの商品を提供することができます。

---:ゲートウェイと言うのは、車とワイヤレスインターネットとのゲートウェイという意味だけでなくて、車の各機能をつなぐゲートウェイという意味合いもあるということですね。

楠本氏 :そうですね。最近の車は様々な機能が増えてきており、それをユーザーが設定できるようになっていますが、これは、車の様々な機能がヨコにつながっていることを示すと同時に、セキュリティや安全のためにそれぞれの機能を分離して管理できていることも意味しています。繋ぎながらも分離するという高度な機能をゲートウェイによって実現しているということですね。

当社のマイクロコントローラー製品であるAURIXとTRAVEOは、車の中の異なる用途に応じた安全性能・機能を提供し、ASIL(Automotive Safety Integrity Level)のレベルの違いで、AURIXはASIL-D、TRAVEOはASIL-Bをサポートし、多様な用途に対応しています。

これからE/Eアーキテクチャが変わってく中で、ドメインコントロールやゾーンコントロールの時代に移行していった時に、これまでは機能やASIL-D、ASIL-Bといったセーフティによるレベル分けで整理されていたECUが、どんどんまとまっていくと、この先は単純にセーフティレベルや機能で整理しきれなくなり、ソフトウエアによってハードウエアに機能を割り当てることができる高い柔軟性が求められていきます。

インフィニオンはそういったE/Eアーキテクチャの変革を推し進める製品群を取り揃えており、さらなる進化を可能にする次の世代の商品を検討しているところです。

9月29日開催の無料オンラインセミナー 「カーボンニュートラル・EVを中心としたCASEのグローバルメガトレンド」はこちら

《佐藤耕一》

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