カーウォッチャーが見た! 大阪のアメリカ車

インペリアル・クラウン 4ドア・サザンプトン
インペリアル・クラウン 4ドア・サザンプトン全 4 枚

『クラシック・アメリカンカーズ・オブ1960'sジャパン』
写真:飯田勝
著者:飯田勝/磯谷潤 共著 
発行:ネコ・パブリッシング
定価:2640円

【画像全4枚】

終戦後、カメラを片手に街頭に止まっているクルマ達を撮影する少年や青年のことを“カーウォッチャー”と呼んでいた。現在その写真は歴史を写した生き証人として、貴重な資料にもなっている。その多くは東京や横浜のものが多いが、本書は大阪を中心に撮影されたものを収録されており、その風景とともにその頃のアメリカ車を楽しむことが出来る1冊だ。

実はカーウォッチャーの多くは、東京で輸入車ディーラーの多かった溜池界隈やGHQ本部のあった日比谷界隈を目指し、そこで撮影したものが多く残されている。そのあたりに行くことで、最新のアメリカ車や欧州車を見ることが出来たからだ。従って、本書のように大阪を中心とした写真は意外と少なく、1冊にまとめられたものは皆無といっていいだろう。

本書の写真は全てアマチュアカメラマンの飯田勝氏の手により、1960年代初頭の関西エリアで、アメリカ車を中心に撮影されたもので、当時の日本のモータリゼーションと世相を知ることが出来る貴重な記録写真である。これらは“大阪の街角から”というタイトルで自動車雑誌『カー・マガジン』に連載されたもので、それらを一冊にまとめ、『カー・マガジン』本誌で紹介された写真と解説に加筆修正、さらに連載時には掲載されなかった未発表写真も多数掲載された。全部で360点以上の写真に、当時の自動車関連広告やカタログなどの資料も加えられたほか、同時代の国産車や欧州車の写真も収録されている。

また、それぞれの写真には番号が振られ、その写真ごとに解説が添えられているが、ここでの解説はそのクルマそのものというよりも、撮影したとき、どういうシチュエーションだったのか、どう感じたのかなど、飯田氏の心情が細かく描かれており、ひとつひとつを写真と見比べながらその当時へとタイムスリップしたような気持ちになった。
『クラシック・アメリカンカーズ・オブ1960'sジャパン』『クラシック・アメリカンカーズ・オブ1960'sジャパン』

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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