VW『ID.4』、女性だけのラリーで完走…フル電動SUVで初

フォルクスワーゲンがこのラリーに参戦するのも初

車体の下回りを保護しサスペンションを強化

EV向けモジュラー車台「MEB」がベース

1回の充電での航続は最大400km

女性だけで競う米「Rebelle Rally」に参戦したVW『ID.4』とメルセデス・リリエンタール、エミリー・ウィンスローの両選手
女性だけで競う米「Rebelle Rally」に参戦したVW『ID.4』とメルセデス・リリエンタール、エミリー・ウィンスローの両選手全 10 枚

フォルクスワーゲン(Volkswagen)の米国部門は10月20日、新型EVの『ID.4』が米国で開催された女性だけで競うラリーレイド、「Rebelle Rally」に参戦し完走を果たした、と発表した。フル電動SUVとして、同ラリーを完走したのは、ID.4が初めてという。

フォルクスワーゲンがこのラリーに参戦するのも初

同ラリーは、米国ネバダ州、アリゾナ州、カリフォルニア州の砂漠地帯を舞台に、今年は8日間で2500km以上を走破するラリーレイドだ。2016年に開始された同ラリーには、「4×4」とクロスオーバー車の「X-Cross」の2つのクラスがある。2020年からは電動車も出走可能となり、EVやハイブリッド車、プラグインハイブリッド車(PHEV)が参加できる。

同ラリーでは、電子機器の使用を禁止している。スマートフォンやタブレット端末、パソコン、GPSは使えない。参加者は地図と方位計を頼りに、コースに設けられた複数のチェックポイントを通過することが求められる。

フォルクスワーゲンの米国部門はこのRebelle Rallyに、ID.4で参戦した。フォルクスワーゲンが同ラリーに参戦するのは、今回が初めて。ドライバーにはメルセデス・リリエンタール、ナビゲーターにはエミリー・ウィンスローの両選手を起用した。女性だけで競う米「Rebelle Rally」に参戦したVW『ID.4』女性だけで競う米「Rebelle Rally」に参戦したVW『ID.4』

車体の下回りを保護しサスペンションを強化

ID.4はRebelle Rally参戦に備えて、タナー・ファウストとリース・ミレン・レーシングによって、オフロード仕様車に仕立てられた。新設計のサスペンションコンポーネントやコントロールアーム、スキッドプレート、バッテリー保護カバーなどのアイテムを追加した。Thule製のラックアクセサリーとヨコハマ製「ジオランダーA/T」タイヤも装備している。

また、ID.4のエクステリアには、ネバダ州とカリフォルニア州の砂漠の地形からインスピレーションを得たラッピングが施された。これは、ソルトレイクシティを拠点とするアーティスト、リズ・クズ氏によるデザインだ。

ID.4は、Rebelle RallyのX-Cross部門に参戦し、完走を果たした。フル電動SUVとして、同ラリーを完走したのは、ID.4が初めてという。ドライバーのメルセデス・リリエンタール選手は、「ID.4のオフロードパフォーマンスは、期待を上回った。AWDによるドライビングダイナミクス、タイトなステアリングは、操縦を楽しいものにしてくれた」と語った。

EV向けモジュラー車台「MEB」がベース

ID.4はフォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーの2番目のモデルだ。第1弾は、小型ハッチバックの『ID.3』だった。ID.4は、フォルクスワーゲン初の本格的な電動SUVになる。世界最大の市場セグメントに成長しているコンパクトSUVセグメントに投入するために開発された。

ID.4は、フォルクスワーゲングループのEV向けモジュラー車台、「MEB」アーキテクチャをベースにしている。全長は4580mmで、乗員のための充分なスペースを持つ。トランクルームの容量は543リットル。後席を倒せば、最大で1575リットルに拡大する。電動テールゲート、ルーフレール、キャンピングカーなどのけん引ブラケットが装備される。女性だけで競う米「Rebelle Rally」に参戦したVW『ID.4』女性だけで競う米「Rebelle Rally」に参戦したVW『ID.4』

インテリアは、ボタンやスイッチ類を極力なくし、2つのディスプレイに操作系を集約した。そのうちの1つのディスプレイは12インチサイズで、タッチ機能を備える。

1回の充電での航続は最大400km

ID.4は、スポーティかつオールラウンドな性能を追求した。Rebelle Rally に参戦したID.4 の「AWD Pro」グレードの場合、前後アクスルに搭載されたモーターは、最大出力295hp、最大トルク46.9kgmを引き出す。

バッテリーは蓄電容量が82kWh。1回の充電で最大400km(米EPA認証予定値)の航続を可能にする。バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。電動4WDと210mmの最低地上高により、整備されたオフロードでは優れた性能を発揮する、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  2. タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
  3. スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
  4. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  5. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
  6. トヨタが新型BEVの『bZ3C』と『bZ3X』を世界初公開…北京モーターショー2024
  7. アルファロメオ『ステルヴィオ』後継モデルは、大容量バッテリー搭載で航続700km実現か
  8. 見逃せない! ホイールのブレーキダスト除去術 ~Weeklyメンテナンス~
  9. ディフェンダー 最強モデル「OCTA」、V8ツインターボ搭載…7月発表へ
  10. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
ランキングをもっと見る