ホンダ オデッセイは、ミニバンムーブメントの立役者だった【懐かしのカーカタログ】

初代(1994年10月)
初代(1994年10月)全 18 枚

2021年で生産中止が予定されているホンダ『オデッセイ』。日本のミニバンのムーブメントを作ったモデルだけに、一抹のさびしさも感じる。そこで今回は歴代モデルを振り返ってみたい。

初代(1994年10月)

初代(1994年10月)初代(1994年10月)
ワンボックスカーの広い空間とセダンの快適性をあわせ持つ新しい感覚の6、7人乗りで乗用車感覚の新型車(ホンダの広報資料より)として登場。アダムスファミリーを起用したCMのインパクトで、いわゆる普通のミニバンが、新時代の乗用車に思えた。

初代(1994年10月)初代(1994年10月)
ベースは同世代の『アコード』で、全高はアコードと同じラインで流せることを前提に決定。エンジンは4気筒(途中2.2→2.3リットルVTECに)に加え3リットルのV6も用意。ラゲッジスペースが深く掘り込まれ、ここを利用した、折り畳んで半回転させると床下にすっぽりと収まるサードシートを装備した。

2代目(1999年12月)

2代目(1999年12月)2代目(1999年12月)
初のフルモデルチェンジ。初代に対しボディサイズは全長+20mm、全幅+25mm、全高ー15mm、ホイールベースは変わらず(4気筒・2WD車)。スタイリングもキープコンセプトで、ヘッドライトが当時流行だった“涙目”になったことが識別点……そんな感じだった。

2代目(1999年12月)2代目(1999年12月)
一方でインテリアでは、初代のコラムシフトから、“Sマチック”と呼んだシーケンシャルモード付きのインパネシフトに一新。合わせて駐車ブレーキも初代のレバー式からペダル式に。7人乗りの2列目シートのスライド機構、BOSEサウンドシステムなども投入された。スペアタイヤも床下格納式に。

3代目(2003年10月)

3代目(2003年10月)3代目(2003年10月)
「ドライビングそのものを存分に楽しめるダイナミクス」と「所有する歓びをいっそう高めるスタイリング」を空間を犠牲にすることなく実現させたい(以上、広報資料より)との狙いから、大幅なイメージチェンジを図ったのがこの3代目。全高は1550mmと先代比ー80mmの低さで、これは立体駐車場の入庫に配慮したもの。

3代目(2003年10月)3代目(2003年10月)
しかし低床化で室内空間は確保され、このために扁平樹脂製燃料タンク、薄型コンパクトチャンバー+扁平ツインサイレンサーなどを採用。3段階のノッチを設けたドア、パワーテールゲートなども採用された。エンジンは2.4リットルのi-VTECを搭載。

4代目(2008年10月)

4代目(2008年10月)4代目(2008年10月)
全高を1545mm(2WD)または1565mm(4WD)とし、3代目の低全高フォルムを引き継いだのがこの4代目。ただしデザインの“作風”はプレーンだった3代目から変わり、とくにメッキの加飾を大幅採用したマスクは『クラリティ』など同世代のホンダ車と歩調を揃えたものとなった。

4代目(2008年10月)4代目(2008年10月)
ゲーム機のコントローラーのようなナビの操作系も3代目から進化させて採用。アブソルートではパドルシフトも採用した。3列目から前に向かってV字型に広げて配置されたシートは、後席からの前方視界に配慮したもの。

5代目(2013年10月)

5代目(2013年10月)5代目(2013年10月)
ステップ高がわずか30cmの超低床プラットフォームを採用して登場したのがこの5代目。全高は1685~1715mmと3、4代目よりも高め、シルエットも佇まいも一般的なミニバンのそれに近づいた……と思わせられたが、それもそのはずで、歴代『オデッセイ』では初めてスライドドアを採用。

5代目(2013年10月)5代目(2013年10月)
背もたれを倒すと座面が上昇する、ゆりかごのように包み込む2列目プレミアムクレードルシート(表記はカタログより抜粋)も採用された。ミリ波レーダーと単眼カメラを使った運転支援システム、Honda SENSING、スマートパーキングアシストなど現代的な機能も投入された。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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