ドライバーファーストを考えた…トヨタGAZOOレーシング 2022年体制発表会

TOYOTA GAZOO Racing 2022年体制発表
TOYOTA GAZOO Racing 2022年体制発表全 30 枚

トヨタGAZOOレーシングは6日、東京・お台場地区にあるトヨタメガウェブで「TOYOTA GAZOO Racing 2022年体制発表」を行ない、中嶋一貴選手の引退とTGR-E副会長就任、小林可夢偉選手のWECチーム代表就任などを発表した。

新シーズンの体制発表は、例年新年を迎えたころ、東京オートサロンや独自の会場などで行われるが、トヨタGAZOOレーシングは、今シーズンのレースが全て終わって間も無い12月に、来2022年シーズンの体制発表を行なった。

チームオーナーでもある豊田章男トヨタ自動車社長と、GAZOO Racing Companyプレジデントの佐藤恒治氏が登壇、豊田社長の「モータースポーツを起点にしたもっといいクルマづくり」という掛け声のもと、2022年も様々な挑戦を行なっていくと発表した。

また体制発表会の12月というタイミングは「ドライバーファーストを考えて、発表できることは早く発表しよう」(司会:脇阪寿一)という考えだそうだ。例年だと、12月ごろは来シーズンに向けてストーブリーグが盛り上がり、誰がどこに移籍するのでは、という噂話や、すでに決まった状態であっても公に話すことができず、もどかしい時間が流れていた。それらを12月に発表してしまえば「早く公にチームと話もでき、早くチームに馴染むこともできる」という理由もある。WRCやダカールラリーなどでは1月早々に活動が開始されることもあり、その方が望ましい場合もある。

そんなWRCラリーは2022年からレギュレーションが変更され、トヨタGAZOOレーシングは、ハイブリッド車両で争うRally1クラスに「GR YARIS Rally1」で参戦する。チーム代表をヤリ-マティ・ラトバラ氏が務め、4台の GR YARIS Rally1を走らせる。日本人ラリードライバーの勝田貴元選手もTGR WRCチャレンジプログラムから GR YARIS Rally1で参戦する。

WRCと同じくヨーロッパが主戦場となるFIA世界耐久選手権(WEC)には、ハイパーカー・カテゴリー(LMH車両)に「GR010 HYBRID」で参戦する。このWECチームの代表には小林可夢偉選手が就任し、選手兼チーム代表の立場で参戦する。

WECでは、小林選手と並んでチームの核となっていた中嶋一貴選手がいたが、先日WECチームからの勇退を発表していた。今回の体制発表では、レーシングドライバーとしても今シーズン限りで引退し、トヨタGAZOOレーシング・ヨーロッパ(TGR-E)の副会長に就任することが発表された。

小林可夢偉・中嶋一貴という長年トップを勤めてきたレースングドライバーが、マネジメント側に変わることで、レーシングドライバーだからこそできることを発揮するための要職を担う事になる。グローバルな視点でのドライバー育成や、車両開発に手腕を発揮する。

中嶋一貴選手が抜けた穴には、平川亮選手が抜擢された。その平川選手は「世界で戦うことは夢の一つだった、少しでもチームのために結果を残したい」と抱負を語った。

一方の国内カテゴリーでは、SUPER GT選手権で劇的な逆転チャンピオンに輝いた、TGR TEAM au TOM'Sの関口雄飛選手がTGR TEAM SARDに移籍すると発表された。質疑応答の中で、豊田社長は「関口選手は、スーパーフォーミュラでもチーム優勝に大きく貢献されたし、SUPER GTでもチャンピオンになったこことで『優勝請負人』なのではないか。GRスープラのどのチームが勝ってもおかしくない、どこのチームでも勝てる。という環境になる」と語る。

TGR TEAM au TOM'Sの関口選手が抜けた穴にはジュリアーノ・アレジ選手が加入することも発表され、GRスープラ勢では6台中4台でドライバーラインナップに変更があった。

全てを通して豊田社長は「ドライバー起点になってやることが大事、トヨタがやっていることが面白い、トヨタに乗りたいと思ってもらえるようにしたい。いまはそれができるタイミングだと思う。ドライバーファーストで、モータースポーツを起点にしたもっといいクルマづくりをしていくようにしていきたい」と語った。

《雪岡直樹》

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