フェラーリ初のPHV『SF90』、ボンネビル・ソルトフラッツを駆ける[動画]

サーキット仕様の「アセット・フィオラノ」

1000hpのパワーを引き出すPHVシステム

特許取得のアクティブエアロ「シャットオフ・ガーニー」

フェラーリ SF90 ストラダーレ
フェラーリ SF90 ストラダーレ全 10 枚

フェラーリは1月2日、ブランド初のプラグインハイブリッド(PHV)スーパーカーの『SF90ストラダーレ』(Ferrari SF90 Stradale)が、米国ユタ州の「ボンネビル・ソルトフラッツ」を駆け抜ける映像を公開した。

写真:フェラーリ SF90 ストラダーレ

SF90ストラダーレの「90」は、フェラーリ創立90周年を意味する。SF90ストラダーレは、フェラーリのラインナップの最高峰に位置し、パワートレインは、フェラーリ初のPHVになる。

◆サーキット仕様の「アセット・フィオラノ」

ボンネビル・ソルトフラッツは、湖が干上がってできた広大な塩の平原だ。毎年8月には、地上最高速を競うスピードレース「ボンネビル・スピードウィーク」が開催されることで知られる。ボンネビル・スピードウィークでは、二輪車からロケットカーまで、さまざまなクラスのモデルが参加し、10マイル(16km)以上の直線距離を走行し、1マイル毎の区間タイムを計測して最高速を競う。

フェラーリは、ボンネビル・スピードウィークでの数々の伝説的なスピード記録に敬意を表すために、SF90ストラダーレをボンネビル・ソルトフラッツに持ち込んだ。映像に登場するSF90ストラダーレは、サーキット走行仕様の「アセット・フィオラノ」だ。サーキット走行車両としての機能を極限にまで高めたいオーナーに向けて開発された。パッケージオプションのアセット・フィオラノは、標準仕様とは大きく異なる専用アップグレードが含まれている。

アセット・フィオラノには、フェラーリのGTレースでの経験から生まれ、サーキット走行に最適化された「マルチマチック・ショックアブソーバー」を搭載する。さらに、カーボンファイバーやチタンなどの素材を使用して、車重を21kg軽量化しており、リアスポイラーもカーボンファイバー製とした。また、タイヤには、公道走行も可能なミシュラン製「パイロット・スポーツ・カップ2」を装着する。コンパウンドを柔らかくし、溝を減らして、サーキットのドライ路面でのパフォーマンスを向上させている。

フェラーリ SF90 ストラダーレフェラーリ SF90 ストラダーレ

◆1000hpのパワーを引き出すPHVシステム

PHVパワートレインは、エンジンに3個の電動モーターを組み合わせたものだ。3個のモーターのうちの2個は、フロントアクスルの左右に独立して配置される。残る1個は、ミッドシップのエンジンとギアボックスの間にレイアウトされる。

排気量を3902ccから3990ccに拡大した直噴V型8気筒ガソリンターボエンジンは、最大出力780hp/7500rpm、最大トルク81.6kgm/6000rpmを発生する。3個のモーターは、最大出力220hpを獲得。エンジンとモーターを合わせたPHVシステム全体では、1000hpのパワーを引き出す。

乾燥重量は1570kg。トランスミッションは8速デュアルクラッチ「F1」で、駆動方式は4WDだ。SF90ストラダーレは、0~100km/h加速2.5秒、最高速340km/hのパフォーマンスを実現している。バッテリー(二次電池)は、蓄電容量7.9kWh。「eDrive」モードでは、最大25kmをゼロエミッション走行できる。このEVモード時の最高速は、135km/hとした。

フェラーリ SF90 ストラダーレフェラーリ SF90 ストラダーレ

◆特許取得のアクティブエアロ「シャットオフ・ガーニー」

SF90ストラダーレでは、最新のF1のノウハウを導入して、エアロダイナミクス性能を追求する。後部のダウンフォースをバランスさせるために、車体前方には「ボルテックスジェネレータ」を採用した。シャシーの前部は、ボルテックスジェネレータが配置されている中央部分に比べて15mm引き上げられ、取り込む空気の量とそれによる効果を強化している。

フロントバンパーは2分割で、それぞれがウィングとして機能する。上部とボンネットの間には明確な凹みがあり、気流を局所的に圧縮。この部分は、フロントホイール前方の2つのディフューザーとともに機能し、フロントアクスルへのダウンフォースの発生に貢献する。

ミッドシップのエンジンカバーは、車体の上下の気流による後部での干渉を改善してドラッグを最小限に抑えるために、低く抑えられた。エンジンカバーの後端部には、2つの吊り下げ式エレメントが装備される。ひとつは固定されており、3つ目のブレーキライトが組み込まれた。もうひとつは、フェラーリが特許を取得した前方がウエッジシェイプの可動コンポーネントだ。これは、「シャットオフ・ガーニー」と呼ばれ、都市部や最高速での走行時には、2つの部分がエンジンカバーの上に揃えて吊り下げられ、可動ウェッジが固定エレメントへの効率的なフェアリングとして機能し、シャットオフ・ガーニーの上下に空気を流す。コーナーでの走行、ブレーキング、急激な方向転換など、大きなダウンフォース条件では、可動エレメントが一対の電動アクチュエータによって下降し、下側の吹き出し部分を閉じ、固定エレメントを露出させる、としている。

《森脇稔》

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