30周年を迎えたスバルのグランドツーリングスポーツ…誕生秘話

スバル・アルシオーネSVX
スバル・アルシオーネSVX全 6 枚

スバル アルシオーネSVX
技術を結集した4WDグランドツーリングスポーツ
編者:自動車史料保存委員会
発行:三樹書房
定価:3850円
ISBN978-4-89522-765-0

スバル『アルシオーネSVX』誕生30周年記念刊行。いまなお根強いファンの多いアルシオーネSVXの魅力を、豊富な写真と当時の技術資料や開発者、関係者の証言などをもとに、詳しく解説した1冊。

1991年に登場したアルシオーネSVXは、デザインと走行性能が特徴でいまなお人気が高く、2021年には世界のオーナーが集う30周年記念イベントが開催されるなど、世代を超えて熱心なファンが多い。

本書では、デザインスケッチなどの写真や図版、発売当時に富士重工業により発行された資料をもとに技術的特徴を詳しく紹介。また、実際にたずさわった開発技術者を中心にアルシオーネSVX開発の様子を記した貴重な手記を収録した。さらに、アルシオーネSVXの関係者による追想記、海外の情報やメッセージに加えて、生産台数や輸出の記録と年表などの資料を収録した決定版といえよう。

さらに箱入り装丁の特別限定版300部もコレクターズアイテムとして同時刊行。専用の外箱の表面には、発売前に撮影された珍しいアルシオーネSVXの写真を、裏面にはSVXの前/後の写真をカラーにて収録し、表紙は特別愛蔵版専用の黒基調の装丁とした。特典として、スバル元デザイン部長の石井守氏とスバル元広報部の岡田貴浩氏による直筆サイン入りのカード(初期型SVXのカラー写真をレイアウト)が入っている。最終仕上げはすべてハンドメイドで行ない、製作番号No.001~No.300の検印が貼付されている。

多くの人たちが知っているように、このデザインはジョルジェット・ジウジアーロ氏が手掛けたもので、本書でもジウジアーロ氏がコメントを寄せているほか、当時のアイディアデザインスケッチや先代アルシオーネXTとのポジショニングの差異などデザイン開発におけるポイントなどが記されており興味深い。そのほかエンジニアリング面での解説など内容は多岐に渡る。

また、当時の関係者の証言としてエンジニアやデザイナー、商品企画などの各担当者がこのアルシオーネSVXへの思いを語っており、30年経ったいまでも同車への愛情が伝わってくる。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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