オイル選びの基本---高い安いで何が違う?

オイル選びの基本“高い安いで何が違う?”エンジンオイルを知ろう~カスタムHOW TO~
オイル選びの基本“高い安いで何が違う?”エンジンオイルを知ろう~カスタムHOW TO~全 3 枚

SN規格やSP規格など
オイル選びの指標がある

オイルにはAPIが定める規格などいくつかの基準がある。クルマ側にもこの基準があり、サービスマニュアルに、適合オイルは「SN規格 5W-30」のような指定があるのだ。この規格は年々進化しているもので、最新はSP規格。LSPI(低速早期着火)に対応したもので、同時にタイミングチェーンが伸びにくい規定が含まれている。

【画像全3枚】

このLSPIは直噴ダウンサイジングターボエンジンに起きやすい現象で、低回転高負荷時に起きるノッキング(異常燃焼)のこと。これが頻発するとピストンに重大なダメージを負うことがある。そこでそのノッキングの原因になる清浄分散剤(カルシウム)を排除。異なる成分の清浄分散剤を配合して、最新のエンジンに適合させたのがSP規格のオイルなのだ。

ちなみにこの規格で難しいのは、最新のエンジンに適合した規格で、それにはエンジンを保護する性能も含まれるが、古いエンジンにも最高の性能を発揮するわけではないこと。LSPI防止にはカルシウムを排除したオイルが最適だが、LSPIが関係ないならカルシウムが配合されていた方がエンジン内部を綺麗に保つ効果は高いという。なので、むしろその前のSN+規格の方がエンジンには適しているかもしれない。

まずは、愛車がどのオイル規格に適合しているか確認してもらいたい。

安いオイルをバンバン交換よりも
良いオイルを長く使う方がエンジンに優しい

オイルの値段が高い安いでなにが違うのか。簡単に言えば、高いオイルは高級なベースオイルに高性能な添加剤が配合されている。高級なベースオイルはそもそもの性能が高いし、その性能を維持する力がある。長期間良い状態でエンジンを潤滑してくれる。

安いオイルをちょこちょこ交換でも同じでは?という意見もあるが、それは微妙。新車時などエンジン内部で金属粉が発生しているような状況では、オイル内を金属粉が浮遊しているとエンジン内部を傷つけてしまうことがあるので、安いオイルをバンバン交換するのもあり。エンジン内部をすすぐようなイメージだ。

しかし、潤滑する能力も、エンジン内部を綺麗に保つ効果も、安いオイルは新油でもそれなりでしかない。高いオイルは元の性能が高いので、ある程度距離を使っても良い性能を維持している可能性が高い、

どうやって選ぶか
まずは粘度と規格のチェック

愛車のオイル選び方はどうしたらいいのか。まずは指定オイルの規格と粘度をチェック。APIの規格は後方互換性があるので、愛車がSN規格なら、SN以降に登場した規格のSN+やSP規格のオイルも使用可能だ。

逆にSP規格の車両にSN規格のオイルを入れてはいけない。これは万が一壊れるリスクもあるので避けるべし。

粘度は純正指定を守るのが基本。もし粘度を変えるにしても、硬い方の粘度にするならエンジンへのダメージのリスクは少ないので可。0W-20指定のクルマに、5W-30を入れても大きな問題はない。あるとすれば燃費の悪化くらい。だが、その逆は油膜切れなどのリスクもあるので素人判断では危険だ。レースやチューニングカーの世界では、ここぞ一発の予選ではフリクションを減らすためにシャバシャバの粘度のオイルを使うこともある。しかし、決勝レースでは硬めの粘度にすることも多い。

そもそも、レースがオイルに厳しい状況なのかという点もある。もちろん全開で走り続けるレースは過酷だが、実はレーシングカーほどしっかりと温度管理がされていて、走行中は水温90度、油温100度などでビタッと安定しているのが普通。

ある程度の回転でエンジンが回っているということは、常に油圧が高いということでもある。クランクメタルやカムも油圧によりフローティング(オイルに浮く)しやすい。真夏に高速道路を走行していて、不意に渋滞に巻き込まれて突然長時間のアイドリングのようなシチュエーションだと、油温は120度以上。アイドリングで油圧は低く、クランクメタルなどにも負荷が掛かっていたりする。同様にエンジンを掛けっぱなしで寝てしまうような長時間アイドリングも、油圧が低くエンジンには厳しいコンディションだ。

そんなこともあるので、街乗りオンリーだからといって粘度を下げるのは危険。純正指定粘度以上の硬さを使うようにしたい。サーキット走行では自己責任として、粘度を変更することが多い。このクルマだと粘度はいくつが適正?と聞かれることもあるが、大切なのは油温が何度になるかだ。ターボ車でもオイルクーラーなどにより油温が100度程度までしか上がらないなら5W-30でも対応できる。NAエンジンでも油温が130度を超えるようなら、15W-50などが合致してくる。

どんな環境で使うかによって変わる。油温が把握できなければ、粘度の変更もできないわけだ。

オイル選びの基本“高い安いで何が違う?”エンジンオイルを知ろう~カスタムHOW TO~

《加茂 新》

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