【ダイハツ ロッキー&トヨタ ライズ 新型試乗】実走行でリッター36km超えも!? HVのコスパに驚く…片岡英明

リーズナブルな価格で最高の作品を生み出そうとしたダイハツ

試乗時の燃費は36km/リットル超え!?

軽量コンパクトなハイブリッドのこれからにも期待

ダイハツ ロッキー e-SMART
ダイハツ ロッキー e-SMART全 13 枚

リーズナブルな価格で最高の作品を生み出そうとしたダイハツ

小型車サイズに収めたコンパクトなクロスオーバーSUVが、ダイハツの『ロッキー』と兄弟車としてトヨタが販売している『ライズ』だ。デビューから丸2年になり、これを機にFF方式の2WDモデルにモーターとバッテリーを加えたハイブリッド車が加わった。

驚かされたのは、トヨタのフルハイブリッドシステム「THS II」ではなかったことである。日産『ノート』のe-POWERと同じように、エンジンで発電機を回して電力を作り、モーターを使って車輪を駆動するシリーズハイブリッド方式を採用した。呼び名は「eスマート」ハイブリッドだ。

ダイハツ ロッキー e-SMARTダイハツ ロッキー e-SMART

発電用のエンジンは熱効率40%を誇る新開発の1.2リットル直列3気筒DOHCである。発電用と駆動用のモーター、バッテリーなどはトヨタのハイブリッド車から借用した。コストダウンのためにバッテリー容量はe-POWEの半分程度だ。手が届きやすいリーズナブルな価格を実現するためにダイハツは割り切り、その中で最高の作品を生み出そうと努力したのである。

試乗時の燃費は36km/リットル超え!?

ダイハツ ロッキー&トヨタ ライズのハイブリッド「e-SMART」ダイハツ ロッキー&トヨタ ライズのハイブリッド「e-SMART」

発電用のエンジンはノートと同等の60kW/105Nm(82ps/10.7kg-m)を発生するが、駆動用のモーターは78kW/170Nm(106ps/17.3kg-m)と少し控えめなスペックだ。だが、実際に走らせると力強かった。発進直後からモーターが後押しし、気持ちよくスピードを乗せていくのである。走り出してすぐはエンジンの存在を強く感じた。バッテリー容量が少ないからか、ちょっと深くアクセルを踏み込むとエンジンがかかってしまう。その音色も少し耳障りだった。

だが、ある程度までスピードが上がってしまうと、まわりの音が強まることもあり、気にならなくなる。高速走行では静かだと感じるくらい快適だ。このスピード域でもパンチの効いた気持ちいい加速を楽しめた。

ロッキーとライズは「ノーマル」と「エコ」モードに加え、「スマートペダル」も採用する。インパネの右側にオン/オフのスイッチがあり、これをオンにするとアクセルペダルを緩めるだけで減速を行うことが可能だ。エンジンブレーキの要領で回生させ、減速できるから慣れると重宝する。減速度は完全停止まで行けるほど大きくないが、『アクア』よりは強めだ。

実際の走行状況に近いWLTCモード燃費は28.0km/リットルだ。フルハイブリッドのアクアは36.0km/リットル、クロスオーバーSUVの『ヤリスクロス』でも30.8km/リットルを達成している。今回の試乗では首都高速と幹線道路を中心に、流れに乗って丁寧なアクセル操作を心がけた。このときメーター内に表示された燃費はなんと36km/リットル超えだ。普段使いでもエコ走行を心がければ25km/リットル前後の燃費は無理なく出るだろう。

走行条件次第では40km/リットル超えも可能!?走行条件次第では40km/リットル超えも可能!?

軽量コンパクトなハイブリッドのこれからにも期待

1.2リットルのガソリンエンジン搭載車も、1.0リットルのターボ搭載車と遜色ない好印象を残している。その気になれば6000回転まで実用になり、冴えた加速を見せた。街中の走りは得意だ。市街地の走りでは3気筒特有の振動とノイズも気にならない。ハイブリッド車はもちろん、ターボ車より安いし、ドライバビリティも優れている。低価格で使い勝手のいいクロスオーバーSUVを、という人には魅力だろう。

これまでハンドリングは今一歩の印象だった。が、ハイブリッド車の投入を機にボディなどに手を入れ、スッキリとしたハンドリングと良好な乗り心地を実現している。路面によってはショックの吸収が甘くなるが、落ち着きを増した。

ライバルと比べるとハイブリッド車もリーズナブルな価格設定だ。軽量コンパクトに設計できるから、軽自動車への採用も視野に入ってきた。これからの発展と進化にも期待したい。

ダイハツ ロッキー e-SMARTダイハツ ロッキー e-SMART

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

片岡英明|モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

《片岡英明》

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