【アクア vs ヤリス 比較】燃費・走行性能は? お買い得グレードと“割安度”も検証

動力性能&加速フィーリング比較

走行安定性&操舵フィーリング比較

乗り心地比較

燃費性能比較

買い得グレードと価格の割安度比較

トヨタ アクア 新型とヤリスハイブリッドを比較。写真はアクアの4WD(e-Four)と2WD
トヨタ アクア 新型とヤリスハイブリッドを比較。写真はアクアの4WD(e-Four)と2WD全 16 枚

2021年7月にフルモデルチェンジとなったトヨタ『アクア』。先代は長期にわたり国内販売トップの座に君臨したいわば国民的ハイブリッド車だったが、新型はライバル達の影に隠れてしまっているようにも見える。中でも強敵として立ちはだかっているのが、同門のトヨタ『ヤリス』だ。

【画像全16枚】

アクアと、ヤリスハイブリッドのガチンコ比較として、パート1ではデザイン・居住性・使い勝手・運転のしやすさについて比較した。パート2では、動力性能・走行安定性・乗り心地の比較、そしてお買い得グレードと“割安度”も検証する。

動力性能&加速フィーリング比較

トヨタ アクア 新型に初採用されたバイポーラ型ニッケル水素バッテリートヨタ アクア 新型に初採用されたバイポーラ型ニッケル水素バッテリー

カタログやウェブサイトに記載されるアクアとヤリスハイブリッドの動力性能データは、基本的に同じ数値だ。

しかし乗り比べると、アクアが少し力強い。アクセルペダルを深く踏んだ時の加速力にはあまり差が生じないが、巡航中に緩く加速する時は違いがある。従来のエンジン車に当てはめると、アクアはヤリスハイブリッドよりも実用回転域の駆動力を高めた印象だ。同程度の加速をするのであれば、アクアはヤリスハイブリッドよりも、アクセルペダルの踏み方を小さく抑えられる。

両車の動力性能に違いが生じた理由は、アクアの売れ筋グレードが搭載する駆動用電池にある。ヤリスハイブリッドはリチウムイオンだが、アクアの売れ筋グレードは、設計の新しいバイポーラ型ニッケル水素を使う。そのためにアクアの駆動用電池の出力はヤリスハイブリッドを上まわり、加速性能にも違いが生じた。

★アクアの勝ち!

走行安定性&操舵フィーリング比較

トヨタ アクア 新型トヨタ アクア 新型

2WDの車両重量は、アクアZが1130kg、ヤリスハイブリッドは1090kgで少し軽い。ホイールベースも短いため、操舵に対する車両の反応は、アクアよりもヤリスが機敏な印象だ。そのために峠道などを走る時は、ヤリスが少しスポーティに感じる。

★ヤリスの勝ち!

乗り心地比較

トヨタ アクア 新型トヨタ アクア 新型

乗り心地はアクアが快適だ。アクアはホイールベース(前輪と後輪の間隔)が長く、サスペンションもヤリスに比べて柔軟に伸縮する。40km/h以下では、アクアも路上のデコボコを伝えやすいが、コンパクトカーとしては不満を感じない。ヤリスハイブリッドの乗り心地は、アクアに比べると硬い。

タイヤの違いもある。アクアの売れ筋グレードが装着するタイヤは、15インチと16インチだが、ヤリスハイブリッドのXとGは14インチを装着する。この14インチは燃費向上のために転がり抵抗を抑え、指定空気圧は前輪が250kPa、後輪も240kPaと高い。燃費の向上を目的にした複数の条件が重なり、ヤリスハイブリッドはアクアに比べて乗り心地を悪化させている。

★アクアの勝ち!

燃費性能比較

トヨタ ヤリスハイブリッドトヨタ ヤリスハイブリッド

アクアのWLTCモード燃費を2WDで見ると、最も優れたBが35.8km/リットルで、売れ筋になるGとZは33.6km/リットルだ。

ヤリスハイブリッドXは、36.0km/リットルを達成しており、日本で購入可能な4輪車の中ではWLTCモード燃費が最も優れている。ヤリスハイブリッドGも35.8km/リットル、ハイブリッドZは35.4km/リットルだから、アクアよりも全般的に燃費数値が優れている。

★ヤリスの勝ち!

買い得グレードと価格の割安度比較

トヨタ アクア(上)とヤリスハイブリッド(下)。アクアの全長は4050mm、ヤリスは3940mmだ。トヨタ アクア(上)とヤリスハイブリッド(下)。アクアの全長は4050mm、ヤリスは3940mmだ。

両車ともに、装備の充実した上級グレードが売れ筋で、装備内容の割に価格が安い。2WDの価格は、アクアZが240万円で、ヤリスハイブリッドZは232万4000円だ。アクアZは7万6000円高い。

その代わりに装備も異なる。ヤリスハイブリッドZでは、アルミホイールが8万2500円、100V・1500W電源コンセントは4万4000円でオプション設定となる。両方のオプション価格を合計すると12万6500円で、車両価格も加えた総額は245万500円だ。

トヨタ アクアの100V・1500W電源コンセントトヨタ アクアの100V・1500W電源コンセント

アクアZにはこれらの装備が標準装着されて240万円だから、オプションを含めた価格は、ヤリスハイブリッドZよりも5万500円安くなる。

しかも前述の通り、アクアはヤリスハイブリッドに比べると、内装の質、後席の居住性、荷物の積載性、動力性能、乗り心地でも上まわる。従ってアクアはヤリスハイブリッドよりも割安だ。

★アクアの勝ち

総合評価

トヨタ アクア 新型トヨタ アクア 新型

アクアとヤリスハイブリッドを比べると、さまざまな機能においてアクアが優れている。ボディサイズも少し大きいから、アクアはヤリスハイブリッドの上級モデルという印象だ。

それなのに価格は同等か、装備の比べ方によってはアクアが安いため、ヤリスハイブリッドに比べると圧倒的に割安になる。

従ってトヨタのコンパクトハイブリッドを選ぶなら、アクアがベストだ。グレードはZを推奨するが、予算によってはGでも良い。

トヨタ ヤリス のガソリンエンジン車トヨタ ヤリス のガソリンエンジン車

一方のヤリスは、ハイブリッドではなく、アクアに設定のないノーマルエンジンが買い得だ。1.5リットルのZ(197万1000円/CVT)、あるいはG(177万3000円/CVT)を推奨したい。販売店によると「買い物などに使うお客様は、価格が安い(163万円/CVT)ことから、1.0リットルエンジンのGを選ぶこともある」という。

つまりアクアが登場した今では、ヤリスを選ぶ価値は、安全装備を充実させて価格を抑えたノーマルエンジン車にある。用途としては、2名以内の乗車で使うユーザーに適する。ヤリスの場合、クルマ好きには1.5リットルノーマルエンジンに設定される6速MTも魅力だ。

★アクアの勝ち

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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