非常ブレーキの取扱いを簡潔明瞭に…新人運転手の教育も見直しへ 札幌市電の人身事故を受けて

札幌市電車両の運転室。
札幌市電車両の運転室。全 1 枚

札幌市電を運営する一般財団法人札幌市交通事業振興公社(公社)は1月31日、札幌市電で2021年10月11日に発生した人身事故について、その改善策を公表した。

これは、札幌市中央区南10条西15丁目の市道交差点で横断歩道を自転車で渡っていた女子中学生が市電にはねられ重傷を負った事故に対し、国土交通省北海道運輸局が2021年12月24日付けで出していた改善指示を受けてのもの。

改善指示では、運転手の赤信号見落しが事故の直接の原因とされており、事故時、警笛吹鳴や非常ブレーキの操作がなかったことが確認されたことから、運転手自身の心身状態による注意力低下の可能性を想定。公社に対しては安全運行へ向けた運転手の教育・訓練方法をじゅうぶんに検証し、必要な見直しを行なうことが指示されていた。

これについて公社は「前方注視や非常制動措置の規定が不明瞭であった」として、前方注視義務を明確化し、非常ブレーキの取扱いを簡潔明瞭にするため運転取扱規程類を改正したという。

また、今回事故を起こした運転手同様、経験が浅い若手運転手に対しては、前方注視の重要性や非常ブレーキの理解を深める特別教育訓練を実施したとしている。

改善指示で想定されていた心身状態については、注意力低下の可能性があるとして、その危険性や前方、周囲の状況を常に把握する重要性を動画を使って教育したとしている。当時の運転士は体調に問題がなかったとしているが、その確認を行なう乗車点呼の内容を記録していなかったため、記録簿を整備した上で、記録管理していくという。

このほか、新人運転士の教育に際しては、単独乗務の可否に対する明確な基準を設け、教育訓練の期間や内容を見直すとしている。

《佐藤正樹》

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