1回限りの氷上ラリー車、EVで476馬力…ポールスターが開発

タイヤ1本につき490本の金属製スタッド

オーリンズが専用チューンしたパフォーマンスダンパー

氷上ラリー車両の開発の狙い

ポールスター2 の「Arctic Circle」
ポールスター2 の「Arctic Circle」全 13 枚

ポールスターは2月2日、EVセダンの『ポールスター2』(Polestar 2)をベースにした氷上ラリー車両の「Arctic Circle」を発表した。

写真:ポールスター 2 の「Arctic Circle」

◆タイヤ1本につき490本の金属製スタッド

氷上ラリー車両のArctic Circleでは、ポールスター2をベースに、車高を30mm引き上げた。カスタムメイドの19インチのスタッド付きウィンタータイヤは、245/35R19サイズを履く。タイヤのトレッド面には、4mmの金属製スタッドがタイヤ1本につき490本埋め込まれた。

前後にそれぞれモーターを搭載し、4輪を駆動する「パフォーマンスパック」付きの「ロングレンジ・デュアルモーター」グレードのEVパワートレインを強化した。前後の2つのモーターは合計で、最大出力が476hp、最大トルクが69.3kgmを引き出す。

このスペックは、ベース車両のロングレンジ・デュアルモーターグレードの最大出力408hp、最大トルク67.3kgmに対して、プラス68hp、プラス2kgmの強化となる。

◆オーリンズが専用チューンしたパフォーマンスダンパー

オーリンズが、この車のために特別に設計・調整した3ウェイのパフォーマンスダンパーを装着する。スプリングは、ベース車両よりも30%柔らかい設定に変更された。ブレーキはフロントに、4ピストンのブレンボ製システムを組み込む。

車体のねじれ剛性とステアリングのレスポンスを高めるために、フロントとリアにはストラットバーを追加した。新開発のローンチコントロールシステムは、ステアリングホイールに取り付けられたパドルで操作できる。リアには、カーボンファイバー製のスノーショベルと、スタックした時に使用するリカバリーストラップが装着されている。

ポールスター2を氷上ラリー仕様車に仕立てるために、19インチの「OZ レーシング」製ラリーホイールと、4個の「Stedi Quad Pro」製LEDフロントライトを装備する。ボディカラーは、マットグレーとホワイトで仕上げられた。フロントバンパーには、ボディアンダー部を保護するために、カーボンファイバー製スキッドプレートを追加している。

◆氷上ラリー車両の開発の狙い

ポールスターは、米国アリゾナの猛暑地帯からスウェーデン北部の寒さが厳しい場所まで、世界中のさまざまな場所で車両をテストしている。スウェーデンのプレミアムEVメーカーとして、ポールスターのエンジニアリングのノウハウが発揮されるのは、このとくに寒い環境にあるという。

北極圏の北部で行われるポールスターのウインターテストプログラムは、毎年12月から3月までの15週間にわたる。エンジニアのチームが、プロトタイプ車両を限界状態までテストする。ポールスターのエンジニアは、マイナス35度という低い気温下の困難な条件において、車両をテストしている。

ポールスターのJoakim Rydholmチーフシャシーエンジニアは、「雪と氷の上でシャシーをチューニングすることで、スローモーションのように感じられる精度で車両を開発することができる。グリップレベルが非常に低いため、ターマックよりもはるかに遅いペースでダイナミクスを感じて分析できる。これにより、車両の動きを細部まで微調整できる」と語る。

なお、ポールスター2のArctic Circleの量産計画はない、としている。

《森脇稔》

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