「ハリアー」に「X5」、“SUV”の礎を作ったモデルたち 5選【懐かしのカーカタログ】

トヨタ・ハリアー
トヨタ・ハリアー全 16 枚

SUV自体はその前からあったが、乗用車ベースの、今に繋がるスタイルが定着したのは1990年代終盤~2000年代初めにかけて。今回はそんな“今のSUVの初期のモデル”を取り上げてみた。

【画像全16枚】

トヨタ・ハリアー(1997年)

トヨタでは“スポーツ・ユーティリティ・サルーン”を謳って登場したのが、この初代『ハリアー』。北米などではレクサス『RX』として投入された。まさしくサルーンの『ウィンダム』をベースに、井型防振サブフレームの採用などで、高い静粛性、快適性を実現。

写真のカタログは2000年11月のもので、ユーロチューンドサスペンション採用モデル(iR Version)も登場している。搭載エンジンは2.4リットルの直4と3リットルのV6を設定。それぞれにFFと4WDの“FOUR”が用意された。

メルセデスベンツ Mクラス(1998年)

メルセデスベンツも今や、おびただしい数のSUVを揃えるが、その出発点になったのがこの『Mクラス』。同社初のアメリカ生産車で、メインの市場もアメリカ、そのせいか走らせるとアメリカ車のような味わいがあり、前後して登場した『X5』があくまでBMWらしさを身につけていたのとは好対照だった。

写真のカタログは99年モデルで、3.2リットルのV6と4.3リットルのV8があった。

BMW X5(2000年)

ことあるごとに書いてきたが、最初に『X5』を見たときには、まるで塗装したクリアボディを載せたラジコンカーに思えた。『5シリーズ』(E39)をベースに、レンジローバーの駆動系を採用。日本市場へはBMW製の4.4リットルのV8を搭載して登場した。

キドニーグリル、ホフマイスターキンク(リヤクォーターウインドゥ後端の形状)など、当時のBMWの文法どおりの外観、セダンと変わらない内装の質感などが魅力だった。

ボルボXC90(2003年)

日本市場には2003年に導入された。当時の『S80』と同じ大型P2プラットフォームをベースに作られ、3列/7名乗車が可能な室内レイアウトを採用。3分割のセカンドシート、合理的な折り畳み機構のサードシートなど、実用性の高さも特徴だった。インフレータブルカーテンや、低い位置にクロスメンバーを設け、万一の衝突の際、低い相手のクランプルゾーンの効果を引き出す設計も。

カタログは2020年7月のもので、3.2リットルの直6を横置きで搭載。

VWトゥアレグ(2003年)

初代VW『トゥアレグ』は2003年に日本市場に投入された。VW初のSUVで、上級クラス相当ということで、カタログの2007年モデルでは3.6リットルのV6と4.2リットルのV8を設定。ほかに限定で6リットルの“W12”も登場した。

「4Xモーション」と呼ぶ4WDシステムを採用。これは通常50:50、電子制御多板デフロックが状況により0:100~100:0にトルク配分を行なうシステムだった。水深580mm(V8とV6のエアサス装着車)までの走行を可能としたポテンシャルがあった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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