新連載[システム・メイク術]カロッツェリア 楽ナビ…手頃なのに手応えあるシステムを構築可能!?

カロッツェリア・楽ナビ AVIC-RQ912
カロッツェリア・楽ナビ AVIC-RQ912全 8 枚

カーオーディオでは、良い音を得るためのアプローチがさまざまある。今回からスタートする当特集では、どのような方法があるのか、すなわちどのような「システム・メイク術」が存在しているのかを明らかにしていく。

2022年モデルの14機種が、いよいよこの3月に新発売!

今回は、カロッツェリアの『楽ナビ』を核とする「内蔵パワーアンプシステム」を構築する際の、その特長を解説していく。なお「内蔵アンプシステム」とは、メインユニットに搭載されているパワーアンプを使ってスピーカーを駆動するシステムのことを指す。つまりフロントスピーカーを鳴らすのに外部パワーアンプを用いない。メインユニット+スピーカーのみでシステムが完結する。というわけで、さまざまある「システム・メイク術」の中でもっともライトな様式だ。今回は、それをカロッツェリアの『楽ナビ』にて実践する場合について考察していく。

最初に、『楽ナビ』のプロフィールを紹介しておこう。『楽ナビ』は、カロッツェリアが擁するスタンダードカーナビシリーズだ。なおカロッツェリアはもう1つ、ハイグレードラインとなる『サイバーナビ』も持っている。それと比べて『楽ナビ』は、リースナブルであることや扱いやすいことが重んじられたシリーズだ。ちなみに『楽ナビ』の2022年モデルは、いよいよこの3月に発売となる。

で、『楽ナビ』は製品ラインナップが豊富なことも特長としている。機種数はなんと「14」。車種専用展開ではない汎用ナビでここまでのラインナップを誇るシリーズは他にはない。なぜにこのように多彩なのかというと、ユーザーの選択肢を広げるためだろう。画面サイズ、機能、メディア対応等が異なるさまざまなモデルが用意されているので、購入の際には予算を鑑みながら自分にとってベストな1台を探し出せる。

多くの機種が、HDMI端子とBluetoothモジュールを装備!

14機種の内訳を紹介していこう。まず画面サイズ違いが4タイプある。9V型、8V型、7V型200mmワイドモデル、7V型180mmモデル、この4つだ。

それ以外では、機種間で以下のような部分が違ってくる。無料地図更新が最大3年分付くか1年付くかまったく付かないか、HDMI端子の有る無し、Bluetooth対応の可否、地デジチューナーがフルセグかワンセグか非搭載か、CD/DVDメカの有り無し、このあたりが主な違いとなっている。ちなみにUSBは基本的にすべての機種で対応するが、USBケーブルを同梱するかしないかは一部異なる。このように、こと細かく機能とメディア対応が変えられている。

気になる価格だが、すべてオープン価格で主なモデルの予想実勢価格は以下のとおりだ。9型大画面の“全部載せ”モデルである『AVIC-RQ912』が13万5000円前後(税込)で、もっとも手頃なモデルが5万5000円前後(税込)だ。

なおカーオーディオメインユニットとして考えたとき、HDMI端子が装備されているか否かは気にしたいポイントだ。これが装備されているとスマホのミラーリングが可能となるので、例えばYouTubeアプリの画面を車載機のディスプレイに映し出せて音声をカースピーカーにて楽しめる。で『楽ナビ』は、HDMI端子を装備する機種が多い。装備がないのは14機種中の4機種のみだ。

そしてBluetooth対応も重要チェックポイントとなる。これに対応していればスマホ内の音楽をワイヤレス接続にて聴けて、しかも都度の接続が不要となる。1度ペアリングを行っておけば、以後はクルマに乗り込めば自動で接続が完了する。スマホはポケットに入れたままでも良いのだ。で『楽ナビ』は、14機種中12機種がBluetoothに対応している。

高精細なHDパネルも、14機種中12機種に搭載!

そして『楽ナビ』は、画質も高い。HDパネルが採用されていて、しかも広視野角だ(斜めから見ても視認性が落ちにくい)。そのHDパネルの採用も、14機種中12機種に行き渡っている。

このように『楽ナビ』は、ニーズの高い機能は多くの機種へと対応を拡大させ、逆に必要度に個人差が出がちな地デジ、CD/DVDメカ、そして価格への影響が大きい無料地図更新、これらを取捨選択できるようにして、各ユーザーごとでのマイベストを選びやすくしているというわけだ。なので場合によっては、自分好みのモデルをリーズナブルに手にできたりもする。

さて、「内蔵アンプシステム」を組む上で、つまりカーオーディオメインユニットとしてのポテンシャルはどうなのか…。

結論から言うと、『楽ナビ』はオーディオメインユニットとしてのポテンシャルがなかなかに高い。スタンダードナビとしては、オーディオ性能が至って充実している。まず、多くの機種で高音質パーツが潤沢に使われていて素の音質性能が高い。信号の読み取り精度、そして内蔵パワーアンプの質が良好だ。

また、サウンドチューニング機能も優秀だ。この点に関しては基本的に14機種すべてに共通している。イコライザーは13バンドタイプなのである程度高精度に周波数特性の乱れを正せる。そして「サブウーファー出力」を搭載しているので、サブウーファーを導入する際に低音のコントロールを適切に行える。さらには「タイムアライメント機能」も積んでいる。これにて運転席側のスピーカーの発音タイミングを遅らせられるので、左右のスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を擬似的に作り出せる。

まとめよう。『楽ナビ』なら、ある程度本格的な「内蔵アンプシステム」をリーズナブルに構築可能だ。手軽に音の良いシステムを組みたいと思ったら、この導入を検討する価値は大だ。

今回は以上だ。次回も具体的な機種を挙げながら「内蔵アンプシステム」の構築術について説明していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

手頃なのに手応えあるシステムを構築可能!? 詳説「システム・メイク術」Part1『カロッツェリア・楽ナビ』の場合

《太田祥三》

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