ネオクラ好きも要注目、個性派揃いの1992年車たち【懐かしのカーカタログ】

オートザム・クレフ
オートザム・クレフ全 12 枚

ついこの間のようにも思うが、1992年というと今からもう30年も前になる。この年に登場したモデルは、バブル末期にかけての開発ということもあり個性派揃いだった。「ネオクラ」人気の中でも注目したい6台を、当時のカタログとともに振り返る。

オートザム AZ-1

オートザム AZ−1オートザム AZ−1

“エキサイティングなマイクロクーペ”として登場。贅沢な新設計ボディは、すべての構造部材を閉断面としたスチール製スケルトンモノコックボディに樹脂製ボディの組み合わせ。スズキ由来の660cc、3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボをミッドシップとし、前後重量配分44:56(2名乗車時)を実現、720kgの車両重量でパワーウエイトレシオ11.25を達成していた。屋根にヒンジをもつガルイウイングドアは開けた状態で高さ1700mmとし、ゴンドラ式駐車場の入庫が可能だった。

ホンダ CR-Xデルソル

ホンダ CR−Xデルソルホンダ CR−Xデルソル

初代、2代目はスポーティな走りを実現したハッチバッククーペを踏襲したのに対し、この3代目ではまったく違ったスタイルに変貌。“太陽の~”を意味するデルソルのサブネームどおり、クーペとオープンの2通りが楽しめる2シータースポーツとした。

最大の特徴は“トランストップ”と名付けられた電動開閉式のルーフの採用(ほかに手動式も設定があった)。45秒の作動時間でルーフが後部トランク部に格納されるギミックは大きな注目を集めた。ロールバー部分のリヤウインドゥも電動開閉式を採用。すべてのウインドゥに白ガラスを採用し、風景の色が変わらないように配慮した……といったこだわりも。

マツダ MX-6

マツダ MX−6マツダ MX−6

一連のマツダ5チャンネル構想時に登場したミドルクラスのモデルの中で、唯一の2ドアクーペだったのがこのモデル。マツダとしてはスペシャルティカーの位置づけだった。余裕のある3ナンバーボディにV6エンジン(2リットル、2.5リットル)を搭載。ホイールベースは他の4ドア系と共通の2610mmとしながらも、当時の資料にも明記されているが、あくまで前席重視の車両レイアウトをとっていた。

スタイリングは古典的なスポーティクーペに対する美意識にも十分敬意をはらいながら(当時の広報資料から抜粋)作られたもの。4WSも採用された。

オートザム・クレフ

オートザム・クレフオートザム・クレフ

オートザムチャネル向けに投入された4ドアセダン。ネーミングは5線譜の左端に記される音部記号に由来。全幅1750mmの3ナンバーボディは3次曲面で包まれたシルエットを採用し、グリルレスのマスクによりスポーティで若々しいスタイリングとしていた。搭載エンジンにはV6〔2.5〕リットルと2リットルのほかに、4WDモデルには2リットルの4気筒を搭載。フロント/センター/リヤのピラー内部に発泡ウレタンを注入し、共鳴ノイズ、振動への対策を施すなどしていた。

三菱 エメロード

三菱・エメロード三菱・エメロード

4ドアスペシャルティとして登場したのがこの『エメロード』。近年の小型車市場における4ドアハードトップ車の需要拡大や……と当時のニュースリリースにもあるが、いうまでもなく「カリーナED市場」に投入されたクルマである。

ただし全幅1730mmの3ナンバーボディとし、全高も1370mmとられ、それなりの室内スペースが確保されていた。ドアはサッシュレス構造だが、ボディ側のセンターピラーは残された構造だった。空気抵抗係数0.29のボディを採用。トランクリッドにはリンクが大きく張り出さないガススプリング方式を採用するなどしていた。

トヨタ・カローラセレス/スプリンターマリノ

トヨタ・スプリンターマリノトヨタ・スプリンターマリノ

『カローラ/スプリンター』系の派生モデルとして登場。両車はボディ骨格など基本設計はまったく共通で、フロントグリルとヘッドランプ、リヤコンビランプのデザインの違いで作り分けられていた。センターピラーが残る構造を採用しつつ、丸みを帯びたスタイリングは、どちらかというと前席重視のレイアウト。コンパクトなボディサイズにより軽快な走りと扱いやすさが確保されていた。搭載エンジンには1.5リットルと1.6リットルが設定され、1.6リットルには4A-GE型も用意されていた。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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