BMW X1 次期型にEV版『iX1』、航続は438kmの見通し

現在開発プロセスの最終段階に

BMWグループの第5世代の「eDrive」テクノロジー

2030年に世界販売の50%以上をEVに

BMW iX1 のプロトタイプ
BMW iX1 のプロトタイプ全 10 枚

BMWグループ(BMW Group)は5月10日、次期BMW『X1』のEV『iX1』のプロトタイプの写真を公開した。2022年秋に正式発表される予定だ。

◆現在開発プロセスの最終段階に

iX1は、次期X1がベースのEVとなる。BMWはすでに、新型『7シリーズ』にEVバージョンの『i7』を欧州で発表した。これと同様に、次期X1にも、EVバージョンとして、iX1がラインナップされる。

iX1のプロトタイプは、スウェーデン北部のアリエプローグのBMWグループのウインターテストセンターにおいて、ドライビングダイナミクステストを完了した。現在、開発プロセスの最終段階にあるという。

次期X1は3世代目モデルとなる。そのEV版のiX1は、プレミアムコンパクトセグメント初のフルEVのSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)になるという。

BMW iX1 のプロトタイプBMW iX1 のプロトタイプ

◆BMWグループの第5世代の「eDrive」テクノロジー

iX1には、BMWグループの第5世代の「eDrive」テクノロジーを搭載する。1回の充電での航続は、WLTPサイクルで413~438kmに到達する見通しだ。

厳しい寒さや冬の道路状況での耐久性テストでは、iX1の電気モーター、電動4WDテクノロジー、高電圧バッテリー、パワーエレクトロニクス、充電技術を、とくに厳密にテストしたという。第5世代のeDriveテクノロジーは、最新のバッテリーセルテクノロジーとインテリジェントに制御された熱管理システムを使用して、氷点下の温度でも、短い充電時間と長い航続を可能にするという。

iX1は、フロントアクスルに1基、リアアクスルに1基の合計2つの電気モーターを搭載する。アクチュエーターに近い場所には、瞬時に作動するホイールスリップ制限技術を搭載しており、あらゆる地形で確実なトラクション性能を実現する、と自負する。

BMW iX1は、ブランドにとって、EVパワートレインを搭載した3番目のSAVになる。次期X1は2022年秋に発売が予定されているが、次期X1の発売直後に、EVのiX1がラインナップに加わる。次期型では、柔軟な車両アーキテクチャを採用することにより、内燃エンジン搭載車とプラグインハイブリッド車(PHV)、EVを同じ組み立てラインで生産する計画だ。

BMW iX1 のプロトタイプBMW iX1 のプロトタイプ

◆2030年に世界販売の50%以上をEVに

BMWブランドは2022年のi7とiX1に続いて、2023年に『5シリーズ』にEVを追加する。MINI『カントリーマン』(日本名:MINI『クロスオーバー』に相当)の後継車と、ロールスロイスのEV、『スペクター』がこれに続く。 BMWグループは2023年までに、現在の市場セグメントの約90%に少なくとも1つのEVを導入する計画だ。MINIのラインナップは、2030年代前半までにフルEVとなり、ロールスロイスの新型車は2030年以降、すべてEVになる。

BMWグループは、2025年までにEVの販売台数が、年間平均50%を大きく上回る成長率で増加し、2020年の販売台数の10倍以上になると予想する。現在の市場予測に基づくと、2030年にはBMWグループの世界販売台数の少なくとも50%がEVになると見込まれる。実際の数字は、市場によって大きく異なる場合があり、最終的には、地域レベルでの充電インフラの拡充度合いに大きく依存する。

この時点で、BMWグループのラインナップ全体において、EVが1車種も用意されないセグメントは、存在しないという。実際、セグメントによっては、EVしか設定されないこともあり得る。需要が相応に伸びた場合、BMWグループは、EVの割合をさらに増やして対応する。BMWグループは、今後10年間に、累計およそ1000万台のEVを販売していると予測する。


《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 世界最高級ピックアップトラック誕生!? トヨタ『センチュリーピックアップ』の可能性
  3. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  4. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る