東西の蒲田を鉄道で繋ぐ「蒲蒲線」が実現へ前進…東京都と大田区が負担割合で合意

東急多摩川線を走る7000系。東急と京急は軌間が異なるため、まず京急蒲田駅までの乗入れを目指して整備される。
東急多摩川線を走る7000系。東急と京急は軌間が異なるため、まず京急蒲田駅までの乗入れを目指して整備される。全 5 枚

東京都と東京都大田区は6月6日、新空港線(蒲蒲線)について、費用負担に合意したことを明らかにした。

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同線は東急多摩川線矢口渡(やぐちのわたし)駅付近から地下に入り、東急蒲田、京急蒲田の両地下駅を通り、大鳥居駅の手前で京急空港線に乗り入れる路線で、完成するとJR線と東急電鉄(東急)が発着している西の蒲田駅と800m離れた東の京浜急行電鉄(京急)京急蒲田駅が鉄道で結ばれることになり、羽田空港への新たなアクセスルートとしても機能することになる。

蒲蒲線については、1989年に「大田区東西鉄道網整備調査報告書」に構想が初めて示された。その後の整備促進運動の結果、2000年の運輸政策審議会(当時)では「京浜急行電鉄空港線と東京急行電鉄目蒲線を短絡する路線の新設」として答申。さらに2016年の交通政策審議会では「矢口渡から京急蒲田の事業計画の検討は進んでおり、事業化に向けて関係地方公共団体・鉄道事業者等において、費用負担のあり方等について合意形成を進めるべき」とされていた。

この答申を受け、今回、国の都市鉄道利便増進事業補助を利用することを想定した上で、補助対象経費の3分の1以内とされる地方負担分のうち、東京都が3割、大田区が7割を負担することで合意。1260億円と見込んでいる総事業費の圧縮や、事業が「特別区都市計画交付金制度」の対象となるよう大田区と東京都が調整を行なうことなども合意事項に盛り込まれた。

整備主体は大田区が出資する第三セクターで、列車を運行する営業主体は東急電鉄を想定しているが、東急は軌間が1067mm、京急が1435mmと異なり、2016年の答申では「大鳥居までの整備については、軌間が異なる路線間の接続方法等の課題があり、さらなる検討が行われることを期待」とされている。そのため、大田区では第一期の整備として、まず、矢口渡~京急蒲田間の地下線建設を進める考えで、開業時期は2035年度を目標としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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