上海ロックダウンの影響、自動車部品関連が突出 東京商工リサーチ調べ

ロックダウン中の上海(5月1日)
ロックダウン中の上海(5月1日)全 3 枚

東京商工リサーチ(TSR)は、「上海ロックダウン」についてアンケート調査を実施。マイナスの影響を受けた業種は自動車部品などを含む「輸送用機械器具製造業」が93.8%で最も多かった。

6月1日、2か月以上にわたる中国・上海のロックダウンが解除された。しかし、余波は国内企業に広がっている。TSRはロックダウン解除直後の6月1~9日にかけて、「上海ロックダウン」についてアンケート調査を実施。5799社から得た有効回答をまとめた。

調査結果によると、上海ロックダウンのマイナスの影響が「継続している」と回答した企業は44.9%だった。マイナスの影響が「出たが収束した」は2.7%、「今後出る可能性がある」は18.6%。合計66.3%が「マイナスの影響」をあげた。

影響が出た企業を業種別で分析すると、自動車部品などを含む「輸送用機械器具製造業」が93.8%で突出した。また、「繊維・衣服等卸売業」は91.0%、半導体などの「電子部品・デバイス・電子回路製造業」は90.9%と高く、中国依存の幅広さを改めて見せつけた。
次に「マイナスの影響」をあげた企業にどのような影響を受ける(受けた)かを尋ねたところ、最多は「原材料の高騰に伴う利益圧迫」の47.8%だった。次いで、「日本国内での資材や部品等の調達がしにくくなった」の46.8%が続く。一方、「現地での資材や部品等の調達がしにくくなった」は30.9%、「現地(中国)での生産等の業務が停滞又は停止した」は23.0%で、現地での生産活動にも大きな影響が出たことがわかる。

規模別では、「現地(中国)での生産等の業務が停滞、又は停止した」は、大企業で36.2%に対し、中小企業は20.6%で、15ポイント以上の差が開いた。「その他」は、「顧客の生産調整により当社製品の販売量が減った」(化学工業製品製造、資本金1億円以上)、「現地銀行の決済停滞」(金属加工機械製造、資本金1億円以上)などの回答が寄せられた。

上海ロックダウンは、改めて国際的なサプライチェーンの脆弱さを露呈した。ロックダウンは解除されたが、納期遅れや物流の乱れは残されている。国内企業はコロナ禍から回復途上にあるが、調達部門の混乱から業績計画や事業再構築の取り組みの練り直しを迫られそうだ。


《纐纈敏也@DAYS》

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