実用性、機能性、機動性を備えた初代『エクストレイル』の魅力【懐かしのカーカタログ】

日産エクストレイル(初代)
日産エクストレイル(初代)全 10 枚

初代『エクストレイル』の誕生は2000年10月19日のこと。“4人が快適で楽しい、200万円の「使える4駆」”がコンセプトだった。

【画像全10枚】

ターゲットにしたい当時の若いユーザーをリサーチした結果の、がんがん使える4WDであり、車名もX-treme SPORTの“X”、未知のものにチャレンジする“X”、4×4の“X”に、足跡、オフロード、荒れた道などを表わす“TRAIL”を組み合わせたもの。

初代のカタログを開くと、見開きで泥だらけの外観と、透視写真でマウンテンバイクを積んだ室内がわかる写真が現れる。ひと目で、どう使ってほしいかが分かるカットで、汚れやキズがつきにくく、水洗いが可能な“ウォッシャブルラゲッジボード”や、畳1枚分以上(リヤシートクッションを外せば奥行きは最大で1874mmに)というラゲッジスペースの説明がある。

さらに次のページではAUTO・ROCK・2WDの切り替えが可能な当時最新のALL MODE 4×4 、最低地上高200mmの説明や、4輪ベンチレーテッドディスクブレーキ、リヤパラレルリンクストラットのリヤ独立懸架の説明も。当時新開発だったQR20DE型2リットルエンジン(ほかに2リットルターボのSR20VET型も設定された)もここで触れている。

そしからパッケージング、装備のページへとカタログは続く。装備でユニークだったのは、500ccのペットボトルまで収納可能な保温・保冷機能付きのドリンクボックス、マルチセンターアームレストなど。インパネはセンターメーターを採用したスッキリとシンプルなデザインで、2003年になると、車中泊などの際に便利な、ステアリングコラムがハネ上げられるポップアップステアリングが採用された。

CD-ROMカタログが用意されていたのも、いかにも『エクストレイル』らしい計らい。日産には都会派4WDの初代『テラノ』があったが、それよりも1段とカジュアルなうえで、実用性、機能性、機動性の高さの魅力で人気を博したのがこの初代『エクストレイル』だった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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