コスパの良い車内静音化プログラム[音を良くする“ひと手間”]

『調音施行』にて使われる、フランス・フォーカルの遮音材『BAM(バム)シート』。
『調音施行』にて使われる、フランス・フォーカルの遮音材『BAM(バム)シート』。全 2 枚

スピーカーやパワーアンプ等を交換・追加する以外の「音を良くするための“もうひと手間”」を紹介している当特集。今回は、効果的な「車内静音化プログラム」をフィーチャーする。さて、それは何で、どのようなメリットを有しているのだろうか…。

◆車内を静かにするという作戦も有効!?

当特集ではこれまでに、カーオーディオシステムの音質を上げるための“もうひと手間”をさまざま紹介してきたが、前回からは車内を静かにするという作戦を取り上げている。昨今、車内にて“うるさい”と感じるドライバーが増えているが、その“うるささ”を緩和できれば音楽が聴きやすくなる。そして快適性も上がるので、より深く音楽に没入できるようになる。

というわけで前回の記事では、車内で“うるさい”と感じるドライバーが増えているその理由から対処法までを紹介した。で、対処法は、徹底的に行うものと極々ライトなものの2タイプを取り上げたのだが、実は、それほど大がかりではなく、しかし効率的に車内を静かにできるメニューがある。今回はそれをクローズアップする。

それは、『調音施工』だ。なおこの『調音施工』は、ホイールハウス周辺へと施行する「基本プログラム」と、エンジンルーム(エンジン車)またはラゲッジルーム(ピュアEV)へと施行する「オプションプログラム」にて構成されている。つまり、コストが多くかかりがちなフロア全面やルーフ全面へのメニューは用意されてはいないのだ。

さて、これが効果的であるその心とは…。

◆ノイズの発生源にアプローチして、効率的に“うるささ”を抑制!

『調音施工』が効果的であるポイントは、主には3つある。まず1つ目は、「ノイズの発生源にアプローチすること」だ。“うるさい”と感じさせる主な元凶はロードノイズだが、これはすなわちタイヤパターンが路面を蹴ることで発生するものなので、ノイズはタイヤハウスの下で生まれている。なので『調音施工』では、フロア全体に静音化処理を施すのではなくノイズの大元に処置を施す。そうすることでコストを抑えつつ、しかし費用対効果は高くノイズを抑え込める。

2つ目のポイントは、「音の専門メーカーによって開発されていること」だ。まずこれにて使用される部材は、世界的なスピーカーブランド、フランスの「フォーカル」が開発した最高級遮音材『BAM(バム)シート』だ。クルマのドア内部の音響的なコンディションを理想的に整えられる当部材は、車内を静かにしようとするときにも高い効果を発揮する。ちなみに当部材は、ハニカム制振材+アルミシート+粘弾性ブチルゴムという3層にて構成されている。つまり異なる素材により複合的にノイズの侵入を抑制する。ノイズを吸い、ブロックし、さらにはタイヤハウスの共振を抑えて“うるささ”を減衰させるのだ。

そして当プログラムの開発者は、国産ハイエンドカーオーディオブランドの「ビーウィズ」だ。同社は、車内音響のことを知り尽くしている。その同社が考案しているだけあって、プログラムは的を射たものとなっている。

◆効果が確認された車種が、「対応車種」!

さらに3つ目のポイントは、「車種限定であること」だ。『調音施工』は基本的に、ホイールハウス内のインナーフェンダーカバーがある車種(一部しかない車種は除く)に対しての施行となるのだが、「ビーウィズ」によって効果が確認された車種のみが「対応車種」となっている。なお、具体的な車種名は『調音施工』の公式HPにて確認できる。

ところで、気になる費用についてもHPに目安が掲載されている。細かくは施行店舗ごとで、そして施行車種ごとで異なるが、「フォーカル プラグ&プレイ本店<木更津アウトレット前>」では、例えばトヨタ・アルファード/ヴェルファイア(30系)の場合は「基本プログラム」が9万5700円(税込)、「基本プログラム+オプションプログラム」が12万9250円(税込)とのことだ。

なお、作業に要する時間の目安は、半日から1日程度。これについても各店舗ごとの状況によって変化するが、予約を入れておけばその日のうちに、もしくは翌日にはクルマを引き取れると思って良さそうだ。

施行可能な店舗も公式HPに掲載されている。コスパ高く車内を静かにしたいと思ったときには、『調音施工』という手があることを、思い出すベシ。


《太田祥三》

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