ポルシェ 911 新型に第2のレーサー、565馬力の「GT3 R」新型…2023年実戦投入へ

自然吸気の4.2リットルボクサー6を軽量ボディに搭載

セットアップの変更を「シム」で行い時間を短縮

空力性能と安全性能を引き上げる新デザイン

ポルシェ 911 GT3 R 新型
ポルシェ 911 GT3 R 新型全 10 枚

ポルシェは7月30日、最新の「992」世代の 『911』をベースにしたレーシングカー、新型『911 GT3 R』(Porsche 911 GT3 R)を欧州で発表した。2023年シーズンの実戦投入を予定している。

写真:ポルシェ 911 GT3 R 新型

新型911 GT3 Rは、『911 GT3』カップに続いて、最新の 992世代の 911をベースにしたポルシェモータースポーツの2番目のレーシングカーだ。

◆自然吸気の4.2リットルボクサー6を軽量ボディに搭載

新しいレーシングカーの核となるのは、992世代の911をベースにした自然吸気ガソリンエンジンだ。従来モデルと同様に、4バルブテクノロジーと直噴システムを備えた水冷の水平対向6気筒ガソリンエンジンになる。新型911 GT3 Rの排気量は 3997ccから4194ccに5%拡大した。これにより、エンジンの最大出力は565psにまで高められている。

高回転志向の6気筒ガソリンエンジンは、ターボチャージャーなしでエンジンを制御し、リアに搭載することで、トラクションとブレーキングを強化する。前方に 5.5 度傾けてエンジンを搭載することにより、アンダーボディ にディフューザーを装着する余裕を持たせた。オルタネーターやエアコンのコンプレッサーなどの補助ユニットは、1000mm前方に移動し、エンジンとギアボックス前方のスペースに移動した。これにより、新型911 GT3 Rは重量バランスを追求している。スピードコンテストメッシュ仕様のギアボックスは、現行の 『911 GT3カップ』のものがベースだ。パドルシフトには、電子シフトドラムアクチュエータを内蔵し、迅速かつ正確なギアチェンジを可能にしている。

アルミとスチールの複合素材を使用した軽量ボディは、市販モデルのデザインを参考にしている。フロントとリアのリッド、ドア、サイドパネルなど、ほぼすべてのボディコンポーネントが軽量なカーボン製だ。リアウイングとルーフ、ホイールアーチはアラミド繊維製とした。

ポルシェ 911 GT3 R 新型ポルシェ 911 GT3 R 新型

◆セットアップの変更を「シム」で行い時間を短縮

新型のサスペンションは、多くの部分が変更されており、より正確なステアリングを可能にし、リアタイヤの摩耗を減らし、セットアップの変更に費やす時間を短縮する。『911 RSR』から、多くのコンポーネントと技術的ソリューションが流用された。フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク。KW製のショックアブソーバーはさらに改良され、5段階に調整できる。セットアップの変更は、「シム」で行う。時間のかかるサスペンションの再調整を必要とせずに、正確な調整を可能にしている。

911 RSRと同様に、高くなったアンダーボディは、リア ディフューザーへの空気の流れを増加させる。後輪は少し後方に移動し、ホイールベースは2459mm から 2507mmに延長された。これにより、リアタイヤへの負荷が軽減され、長距離レースのタイヤのパフォーマンスが向上するという。

アルミ製モノブロックレーシングブレーキキャリパーに加えて、ブレーキディスクもAP製とした。スチール製ディスクの直径は、フロントが390mm、リアが370mm。キャリパーは、フロントが6ピストン、リアが4 ピストンとした。第 5 世代のレーシングABSのソフトウェアが、タイヤとブレーキの摩耗を軽減する。ポルシェのトラクションコントロールシステムもさらに改良されている。

ポルシェ 911 GT3 R 新型ポルシェ 911 GT3 R 新型

◆空力性能と安全性能を引き上げる新デザイン

エアロダイナミクスの面では、フロントアクスル前部のアンダーボディが高くなり、滑らかなアンダートレイとリアディフューザーが初めて組み合わされた。この組み合わせにより、抗力を増加させることなく、ダウンフォースを向上させた。リアウイングには、スワンネックマウントを採用。これにより、ウイングの下に空気を流し、エアロダイナミクス性能を引き上げている。

安全性に関しては、シートの位置が、より車両の中心に近づいた。改良されたロールケージと組み合わせて、FIA(国際自動車連盟)の側面衝突保護基準に適合させている。先代と同様に、ステアリングホイールとペダルは、ドライバーに合わせて縦方向に調整できる。

ステアリングホイールのデザインも変更された。最新世代の 911 GT3 カップや911 RSRで実証されたデザイン要素を取り入れている。10.3インチのディスプレイは、ワンメイクカップレーサーに由来するデザインとした。

高性能 LED ヘッドライトも採用されており、サーキットの幅広い領域を照らすことが可能、としている。

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《森脇稔》

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