【KTM RC390 試乗】この軽さと豪華装備、企業努力まで感じちゃいました…丸山浩&小鳥遊レイラ

KTM RC390と「ことりちゃん」こと小鳥遊レイラさん
KTM RC390と「ことりちゃん」こと小鳥遊レイラさん全 29 枚

MotoGPのDNAを受け継ぐKTMのスーパースポーツ「RCシリーズ」が、今年6月にフルモデルチェンジされた。今回は『RC390』にプロレーサーの丸山浩氏と、「ことりちゃん」こと小鳥遊レイラが試乗。その魅力を語り合った。

この車重にこの装備、乗っていて企業努力まで感じてしまう

丸山浩(以下、丸山):今回紹介するバイクは、2022年型でフルモデルチェンジになったKTMの単気筒スーパースポーツ、RC390だ。パワー的には44psと従来から変わらないけど、車重がガソリン抜きで155kgと125cc並みに軽くなった。フレームやブレーキも一新、ホイールに至っては3.4kg軽くなるなど特にバネ下の重量を軽くして戦闘力を大きく高めてきたという感じなんだけど、ことりちゃんもサーキットを気持ちよく攻めてたね。

KTM RC390KTM RC390

小鳥遊レイラ(以下、ことり)めちゃくちゃ楽しく走れました。とても装備が豪華なんですよね。コーナリング対応型のABSとトラコンが付いていて、そんな高度なものは私には使えないと思っていたんですけど、今回のようなタイトなコースではおおっ!効いてる~と本当に助かって安心感がありました。

丸山:普通はリッタークラスに付いている装備だよね。それが400にも付いているって、すごい贅沢。

ことり:メーターもフルカラーになっていて、とにかくカッコいいんですよね。そうそう、タイトコースではシフトチェンジを頻繁に行わないといけないので、オプション装備のクイックシフターは絶対に付けた方がいいと思いました。

KTM RC390KTM RC390

丸山:クイックシフターはストリートで使うときのことも考えているので、タッチが軟らかめなんだけど、それでもかなり実戦的。アシストスリッパークラッチも付いているからクラッチ操作自体もとても軽いよね。単気筒だから3~1速はシフトダウン時のエンブレが強めに出るんだけど、それもスリッパークラッチがうまく逃がしてくれている。ことりちゃんは他にこのマシンで気に入ったところはある?

ことり:次に感動したのが車重、やっぱり軽さですよね。ライバルを探しても400ccクラスで150kg台ってまずないんですよ。まるで125ccクラス並み。この重さでさっきのリッタークラスの装備が付いているところは、乗っていて企業努力まで感じたというか、本当に凄すぎると感動しちゃいました。

扱いやすく、幅広いライダーに勧められるマシンになっている

KTM RC390 WP APEX PROKTM RC390 WP APEX PRO

ことり:それに、スタイルがまたレーシングマシン的でカッコイイ。国産でも400ccフルカウルは何機種が出てますけど、どれもちょっとツアラー寄りな雰囲気を持っているんですよね。でもRC390は、いかにもザ・レーサーって感じでスタイルがズバ抜けています。

丸山:マフラーのかたちもGPマシンのようだよね。KTMのマシンはどれもスタンダード状態のままでレースにも使える「Ready To Race」をコンセプトにしているんだよね。それがスタイル、エンジン、走りのすべてに現れている。そのなかでRC390が凄いのは「Ready To Race」だと初心者にはちょっと難しくなってしまうところを、その軽さと装備でストリートで乗るうえでも非常に扱いやすくまとめているところかな。

KTM RC390KTM RC390

ことり:カッコよくて軽くて乗りやすいから、若い人の中でも特に女の子やバイクに乗りたての人で何に乗ったらいいのだろうと迷っている人にオススメです。さらにはそこそこサーキットを走っている人でも充分に楽しめるので、幅広いライダーに勧められるマシンだと感じました。

丸山:単気筒スポーツそしてロードスポーツをサーキットで存分に楽しめる。なおかつ街中で乗っていても車重は軽い、クラッチは軽い、シフト操作はやわらかい、電子制御で守られて安全と、そんなバイクをGPマシンスタイルで乗せてくれるんだからね。本格的にサーキットで遊びたいという人には、WP製APEX PROサスを装備したPROバージョンもオススメしたいかな。バネレートはスタンダードバージョンと同じで最初は軟らかく感じだけど、標準セッティングから締め込んであげると、本領を発揮。しっとりしたダンピングで、動きの質感とギャップの収束がすこぶる良くなる。約22万円ほど高くなるけど、サーキットマニアだと結局いずれはサス交換したくなりがち。そう考えるとこちらも安く感じると思うよ。

KTM RC390KTM RC390

■5つ星評価
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★

小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃん
レースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、一昨年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。先日、MFJロードレース国内ライセンスを取得して、今年は2輪でもレースに参戦予定。イベントMCから2&4輪の耐久レース参戦まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

《丸山浩》

丸山浩

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー 1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

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