シンプルさを極限まで極めたVWらしいコンパクトカー【懐かしのカーカタログ】

VW up!
VW up!全 12 枚

“!”まで車名表記としたVW『up!』の登場は2012年のこと。早いもので日本の路上を走り始めて今年でちょうど10年となる。VWのエントリーモデルは今は『ポロ』だが、それよりコンパクトなAセグメントのクルマとして登場した。

【画像全12枚】

全長×全幅×全高は3545×1650×1495mmと、前任にあたる『ルポ』とは全長+20mm、全幅+10mm、全高+20mmとほぼ同サイズ。けれどホイールベースは『ルポ』の2320mmと較べると2420mmと100mm長く、見ただけでも効率的なパッケージングとなっていることがわかった。

ボディタイプは2ドアと4ドアの2タイプで、これも2ドアのみだった『ルポ』より実用性の高さを重視したことがわかる設定。サイドビューは2ドアと4ドアとでは、ドアやウインドゥグラフィックのデザインが異なっていた。

デザインは、それまでフィアット、アルファロメオのデザインを手がけていたワルター・デ・シルバによるもので、氏によれば特徴的なガラスハッチは“スマホをイメージしたもの”だったとも。彼は『up!』のお披露目の際に来日しており、発表会場のステージ上で、スラスラとスケッチを描いて見せた。

当初のボディ色は赤、白、黒、青、シルバー、水色のオーソドックスな6色の設定だった。

インテリアはボディ色を反映させたインパネを始め、ヘッドレスト1体型シートなど、シンプルで合理的な設計。4ドアの野やドアのウインドゥはスイング式。ラゲッジスペースはフロアの高さが2段階に使い分けることができた。

搭載エンジンは3気筒の999ccエンジンで、これにASGと呼んだシングルクラッチの2ペダルの組みあわせ。“e燃費アワード”の輸入車部門でも何度か1位になっている。

登場後、『cross up!』『e-up!』『up! GTI』といったバリエーション展開も。また“○○○ up!”といった呼称の限定車も数多くリリースされた。いずれにしても、VWらしいシンプルさを極限まで極めた、カジュアルさと軽快な走りが印象的なクルマだった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  4. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
  5. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る