JR北海道の「ワンマン電車」は737系…室蘭本線のキハ143を置換え 2023年春

737系のエクステリア。塗色は優しさや親しみやすさ、明るく若々しいイメージとして、淡いピンクの「さくらいろ」に。前面は気動車のH100形に似たイメージで、黒をベースにJR北海道のコーポレートカラーと黄色の警戒色を配している。側窓は開閉式となる。
737系のエクステリア。塗色は優しさや親しみやすさ、明るく若々しいイメージとして、淡いピンクの「さくらいろ」に。前面は気動車のH100形に似たイメージで、黒をベースにJR北海道のコーポレートカラーと黄色の警戒色を配している。側窓は開閉式となる。全 7 枚

JR北海道は8月17日、737系一般型電車を2023年春から室蘭本線苫小牧~室蘭間に投入すると発表した。

これは、同社が6月3日に発表していた2022年度施策で「ワンマン電車」として示されていたもので、JR北海道の一般型電車としては2012年に登場した733系以来の新系列車となる。ワンマン仕様の一般型電車は同社初となる。

737系のレイアウト。車椅子用スペースと対応トイレはクハ737に設置。フリースペースはクモハが山側、クハが海側。定員はクモハ737が136人(座席49・立席87)、クハ737が133人(座席44・立席89)の合計269人で、キハ143形より1割程度多くなる。737系のレイアウト。車椅子用スペースと対応トイレはクハ737に設置。フリースペースはクモハが山側、クハが海側。定員はクモハ737が136人(座席49・立席87)、クハ737が133人(座席44・立席89)の合計269人で、キハ143形より1割程度多くなる。

車体は2010年に登場した735系以来のアルミ合金製で、前頭部のみ鋼製。オールロングシートの2扉車で、クモハ737+クハ737の2両編成が最小単位となる(最大6両まで増結可能)。最高速度は120km/hで、制御方式は主変換装置に省エネタイプのハイブリッドシリコンカーバイト(SiC)モジュールを用いたVVVFインバータ制御。

737系のインテリア。2扉車のオールロングシート車となるため、フリースペース(左手)がない側のロングシートは、733系や735系などの既存車よりかなり長くなる。737系のインテリア。2扉車のオールロングシート車となるため、フリースペース(左手)がない側のロングシートは、733系や735系などの既存車よりかなり長くなる。車内中央部のイメージ。左手の中央がフリースペース。照明はLED化される。車内中央部のイメージ。左手の中央がフリースペース。照明はLED化される。クモハ737の後部車内。苫小牧~室蘭間は客車列車時代の低いホームになっていることから、床面をキハ143形より19cm低くし、乗降口のステップが省略される。クモハ737の後部車内。苫小牧~室蘭間は客車列車時代の低いホームになっていることから、床面をキハ143形より19cm低くし、乗降口のステップが省略される。

13編成26両が2022年冬から2023年春まで順次落成する予定で、現在、札幌・苫小牧~室蘭間の普通列車で運用されているキハ143形気動車も順次737系に置き換えられる。

737系に順次置き換えられるキハ143形。国鉄から承継した50系51形客車を気動車化した車両であることから、客車を意味する「Passenger Car」と気動車を意味する「Disel Car」を組み合わせPDCと呼ばれた。737系に順次置き換えられるキハ143形。国鉄から承継した50系51形客車を気動車化した車両であることから、客車を意味する「Passenger Car」と気動車を意味する「Disel Car」を組み合わせPDCと呼ばれた。

室蘭本線苫小牧~室蘭間は1980年10月に交流電化され、当時は一般型電車として711系が運用されていたが、2012年10月に札沼線(学園都市線)桑園~北海道医療大学間が全面電車化されてからは、同区間で運用されていたキハ143形が室蘭本線へ転用された。

以来、苫小牧~室蘭間は電化されているにも拘らず、電車列車は札幌~室蘭間の特急『すずらん』(東室蘭~室蘭間は普通列車)のみとなっていた。

苫小牧駅で発車を待つキハ143形の上り普通列車。苗穂運転所配置車のため、早朝・深夜は送込みを兼ねて札幌~苫小牧間にも普通列車として入線するが、その時は車掌が乗務する。苫小牧駅で発車を待つキハ143形の上り普通列車。苗穂運転所配置車のため、早朝・深夜は送込みを兼ねて札幌~苫小牧間にも普通列車として入線するが、その時は車掌が乗務する。

《佐藤正樹》

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