【三菱ふそう eキャンター 新型】小型EVトラックの次世代モデル発表…航続延長

三菱ふそう eキャンター 次世代モデル
三菱ふそう eキャンター 次世代モデル全 35 枚

三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は9月7日、フルモデルチェンジした電気小型トラック『eキャンター』次世代モデルを発表した。

2017年に国内初の量産型電気小型トラックとして発売したeキャンターは、CO2ゼロの輸送を実現する車両として日本、欧州各国、北米、豪州やニュージーランドで多様な用途にて活用されている。eキャンター次世代モデルは車両ラインアップを大幅に拡充することでより多くの物流ニーズに対応し、カーボンニュートラル輸送の実現を加速するソリューションとして大きく進化。日本国内向けのeキャンター次世代モデルは2023年春に発売予定、海外市場向けモデルも順次展開していく。

◆新型eアクスル採用でシャシラインアップを拡充

三菱ふそう eキャンター 次世代モデル三菱ふそう eキャンター 次世代モデル

eキャンター次世代モデルは、モーターを後軸に統合したeアクスルを新たに採用。ドライブトレインをコンパクトな構造にすることで、シャシラインアップを大幅に拡充した。国内市場向けモデルは28型式、海外市場モデルは約80型式のシャシラインアップを展開し、より幅広い物流ニーズに対応。また、現行モデルの車両総重量(GVW)7.5トンクラスに加えて、国内モデルでは最小5トンから最大8トンクラスまで、海外モデルでは4トンクラスから8トンクラスまでのバリエーションを展開する。キャブバリエーションも拡充し、小回りのきく標準幅キャブ(1700mm)から、より多くの荷箱容積が確保可能な拡幅キャブ(2130mm)を新たに追加。さらに、ホイールベースも最小で2500mmから最大で4750mmまで展開する。

◆モジュール式バッテリーで航続距離延長

三菱ふそう eキャンター 次世代モデル三菱ふそう eキャンター 次世代モデル

次世代モデルでは、ホイールベースに応じてバッテリーを1個から最大3個まで搭載可能なモジュール方式を採用した。定格容量41kWhのバッテリー1個を搭載した車両は約80km、2個搭載車両は約140km、3個搭載車両は約200kmと、航続距離の延長を実現。現行モデル同様、普通充電と急速充電が可能なほか、災害時に車載バッテリーから専用機器を介して住宅などへの外部給電を行うV2X機能も新規搭載した。また、動力取り出し装置「ePTO(Electric Power Take Off)」も装備。ダンプ、リアクレーン、ごみ収集車、冷蔵車、脱着車といった架装にも対応する。

電気トラック特有の機能も充実させ、回生ブレーキが4段階のレベルでコントロールできるようになり、電費やドライバビリティの向上に貢献する。また、冬場でも走行時のエネルギー消費を節約できる「ヒーターカットスイッチ」や普通充電時にバッテリーを出発時刻に合わせてタイマーで予熱できる「バッテリープレコンディショニング」機能を設定。シートやステアリング等の必要な箇所のみを温める「省エネ暖房」機能も追加した。

◆先進安全装置を大幅拡充

アクティブ・アテンション・アシストアクティブ・アテンション・アシスト

次世代モデルでは先進安全装置も大幅に拡充し、安全運転のサポートも強化した。FUSOの小型トラックでは初となる被害軽減ブレーキ機能を有する巻き込み防止機能「アクティブ・サイドガード・アシスト0」を新規搭載。死角になりやすい車両の左側を監視して、左折巻き込み事故のリスクを低減し、衝突時の被害を軽減する。衝突被害軽減ブレーキもアップグレード。「アクティブ・ブレーキ・アシスト5(ABA5)」を全モデルに新規搭載し、車両前方の空間の把握と歩行者への検知精度を向上した。

運転注意力の低下を白線認識カメラや各種センサー、顔認識カメラを通じて認識するドライバー注意監視システム「アクティブ・アテンション・アシスト」も新たに搭載。運転注意力の低下をブザーやフル液晶メーターへの表示で警告する。また、自動でハイビームまたはロービームに切り替える「インテリジェント・ヘッドライト・コントロール」や、前方の交通標識をフル液晶メーターに表示する「トラフィック・サイン・レコグニション」も新規搭載。坂道などで安定した制動力を保持する「電動パーキングブレーキ」や、後退時の事故のリスクを軽減する「バックアイカメラシステム」も新たに装備し、安全サポートを強化した。

◆次世代EVトラックにふさわしい内外装に一新

三菱ふそう eキャンター 次世代モデル三菱ふそう eキャンター 次世代モデル

内外装も一新し、次世代電気トラックにふさわしい印象的な外装デザインに進化。FUSOブランドを象徴するブラックベルトに、電気トラックのキーカラーであるオレンジとブルーを組み合わせ、先進的な表情に仕立てた。LEDヘッドライトやデイタイムランニングライトも装備。最新型のLEDリヤコンビネーションランプも搭載し、安全走行をサポートする。

内装デザインも快適な運転のためにアップグレードした。高さを抑え、広々した空間を提供する新形状のダッシュボード、上下寸法を広げ、使い勝手を向上させた乗降グリップを採用。随所にキーカラーのオレンジとブルーを配したほか、ステアリングスイッチと連動した10インチのフル液晶メーターを新たに搭載。FUSO小型トラックで採用した「FUSOイージーアクセスキー」も搭載し、利便性もアップした。

MFTBCのテレマティクス機能「トラックコネクト」には、電気トラック特有の新機能を追加した。現行モデルでダッシュボードに表示される残走行距離表示「eRange」や、新品と比べて残っているバッテリーの容量がトラックコネクト上でも表示されるようになる。また、最も電力料金が安い時間帯にタイマーをセットして充電ができる「充電管理システム」機能も追加した。


《纐纈敏也@DAYS》

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