富士モータースポーツミュージアムがまもなく開館…歴史をたどる、ここでしか見られないマシン

富士モータースポーツミュージアム ラリーコーナー
富士モータースポーツミュージアム ラリーコーナー全 13 枚

“モータースポーツがクルマを鍛え、進化させた熱い歴史をたどる”をタグラインに、富士モータースポーツミュージアムが10月7日に開館する。富士スピードウェイに隣接し、同日開業される富士スピードウェイホテルに併設される。

【画像全13枚】

富士モータースポーツミュージアムは富士スピードウェイホテル棟の1階と2階部分にある。約130年にわたるモータースポーツの歴史を、多くのレーシングカーの展示でたどれるようにレイアウト。3階にはテラスとミュージアムが運営するショップとカフェがあり、窓とテラスから富士スピードウェイを眺めることも可能だ。

◆約40台を展示、トヨタ以外のメーカーも

約40台の展示車両は、トヨタ博物館収蔵車だけでなく、半数ほどは国内外のメーカー10社から、車両が貸与され展示されている。従ってトヨタだけでなく日産やホンダ、フォード、ポルシェなどから貴重な車両が置かれ、モータースポーツの歴史をたどるにふさわしい陣容となっている。

入り口から中を見渡すと、最初に目に入るのが立てかけられた1970年のトヨタ『7』だ。レプリカではあるものの、エンジンとミッション、そしてリアウイングは当時のスペアパーツを使用。タイヤも当時のものをそのまま使っているという。通常タイヤは数年経つと実際の走行には使えなくなってしまうが、立てかけることでタイヤに負荷がかからない状態で展示することで、50年間倉庫で眠り続けていたものを展示することができたのだ。

もうひとつ、ここでの特徴はデザイン的なもので、トヨタ7の足元にはボルトとナットが樹脂で固めて敷き詰められている。これは心理的な“結界”を意味し、多くは触れないように柵を設けることから写真などが撮りにくくなったり、見難くなってしまいがちだが、このような心理的な結界を用いることで邪魔になるものない状態で、クルマを見てもらえるような工夫が施されている。

富士モータースポーツミュージアム  入口のトヨタ7富士モータースポーツミュージアム 入口のトヨタ7
富士モータースポーツミュージアム  心理的な結界富士モータースポーツミュージアム 心理的な結界

◆15の展示テーマ

ゲートをくぐり中に入ると、全フロア合わせて15のテーマに分かれており、それぞれ柱に番号が記されそのコーナーごとに解説が記されている。基本的には時系列でモータースポーツの始まりから、ヨーロッパやアメリカでのモータースポーツの発展や、日本では日本グランプリとして鈴鹿サーキットや富士スピードウェイ完成当時の状況を現車や写真とともに展示。そして当然ながら、最後の15では、取材当日はまだ車両展示はなかったもののカーボンニュートラル実現に向けた新たな挑戦というテーマで水素燃料やバイオフューエルでのレース活動を紹介し締めくくられている。

富士モータースポーツミュージアム  栄光の日本グランプリコーナー富士モータースポーツミュージアム 栄光の日本グランプリコーナー富士モータースポーツミュージアム  ル・マン24時間コーナー富士モータースポーツミュージアム ル・マン24時間コーナー

展示車両に目を向けると、戦前車からドリフトマシン、F1、ラリー車など多岐にわたる。中でもトヨタの創業者、豊田喜一郎のアイディアのもとトヨタが初めて関わったレーシングカー、『トヨペットレーサー(レプリカ)』や、ポルシェから貸与された『904カレラGTS』は8気筒エンジンを搭載したもので、当時3台が作られ、現存はこの1台のみともいわれており、これらが見られるのは世界広しといえどもここしかない。このように改めてモータースポーツに関する実車を見ることは興味深い経験になるだろうし、改めてモータースポーツの歴史を俯瞰してみることで、新たな知識を得ることにもつながるだろう。

富士モータースポーツミュージアム  トヨペットレーサー富士モータースポーツミュージアム トヨペットレーサー富士モータースポーツミュージアム  ポルシェ904カレラGTS富士モータースポーツミュージアム ポルシェ904カレラGTS

入場料は大人が窓口購入で1800円、オンライン予約だと1600円である。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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