『クロストレック』の原点はWRXだった!? スバル流クロスオーバーの系譜【懐かしのカーカタログ】

スバル・インプレッサスポーツワゴン グラベルEX
スバル・インプレッサスポーツワゴン グラベルEX全 15 枚

クロスオーバーは今や百花繚乱だが、スバル(現SUBARU)の『XV』は、日本車ではそのパイオニア的存在。9月には車名を『クロストレック』と改めフルモデルチェンジが発表されたが、ここで改めて、“グラベル・エックス”時代からの歴代モデルを振り返ってみたい。

インプレッサスポーツワゴン・グラベルEX(1995年)

スバル・インプレッサスポーツワゴン グラベルEXスバル・インプレッサスポーツワゴン グラベルEX

1995年、『インプレッサ スポーツワゴン』をベースに登場した「グラベルEX(エックス)」。注目すべきは「WRX」をベースに仕立てられた点で、エンジンは220ps/28.5kg-mの水平対向2リットルのBOXER 4カム16バルブターボを搭載。駆動方式はMT車がビスカスLSD付きセンターデフ方式4WD、AT車は通常35:65の前後輪トルク配分のVTD-4WDを採用した。

スバル・インプレッサスポーツワゴン グラベルEXスバル・インプレッサスポーツワゴン グラベルEX

さらに最低地上高を185mmとし、舗装路だけでなく未舗装路にも対応。“走りは、WRCで鍛えた”とあるとおりの高性能ぶりを発揮した。外観は“GRAVEL EXPRESS”とあるフロントプロテクター、背面スペアタイヤキャリアや、オプションでBBSの16インチアルミホイールなども用意。

今思えば真価を発揮することなく消えた、早過ぎたクロスオーバーだった。

インプレッサXV・初代(2010年)

スバル・インプレッサXVスバル・インプレッサXV

“Crossover Vehicle”の意味をもつXVの名が与えられ、アクティブ・スポーツ・ギアをコンセプトにした初代『インプレッサXV』は2010年に登場。ベースの『インプレッサ』とは155mmの最低地上高は変わらないものの、ホイールアーチ、サイドシル、前後バンパーに連続した黒色のクラッディングを装着。さらにルーフレール、ルーフスポイラーを加え、ベースのインプレッサとはひと味違う、ワイルドでスポーティなルックスに仕立てられていた。

スバル・インプレッサXVスバル・インプレッサXV

搭載エンジンは1.5リットルと2リットルの2本立てで、AWDのほかに2WDも設定。カタログは意外にもあっさりと仕上げられ、ベースのインプレッサよりもよりアクティブに乗りこなせることを、さりげなくアピールしたものになっていた。

XV・2代目(2012年)

スバル・XV(2012年)スバル・XV(2012年)

2012年9月発表。5ドアハッチバックの『インプレッサ・スポーツ』をベースに仕立てられ、最低地上高が200mmに高められたのがポイント。同時に全高を1550mmに抑え、立体駐車場への入庫にも対応させた。IDシボが施されたホイールアーチ、サイドクラッディング、ルーフレールを装着した外観は、17インチホイールにより小気味よくダイナミックな出で立ちとなっていた。

スバル・XV(2012年)スバル・XV(2012年)

また2013年にはスバル車では初めてのハイブリッド車を設定。このハイブリッドにはCVTをベースにプライマリープーリー後方にハイブリッド用駆動モーターを置く専用トランスミッションを採用した。

ハイパーブルー、タンジェリンオレンジ・パール、サンライズイエロー(特別仕様色)、デザートカーキ、プラズマグリーン・パールなど印象的なボディ色も設定。

XV・3代目(2017年)

スバル・XV(2017年)スバル・XV(2017年)

“DYNAMIC × SOLID”をデザインテーマに登場。水平対向エンジンのピストンをモチーフにした“コ”の字型のポジションランプ、フロントからホイールアーチ、サイドシルを経てリヤまで続くクラッディングも2代目同様に採用された。最低地上高は200mmと変わらず、ホイールベースは2代目+30mmの2670mmに。

スバル・XV(2017年)スバル・XV(2017年)

パワーユニットは1.6リットルのガソリンと、e-BOXERと呼ばれる2リットルDOHC直噴エンジン+モーターを設定。X-MODEと名付けられた走行状態に合わせて2つのモードを選択することで4輪の駆動力とブレーキを適切に制御する機能も搭載した。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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