ダチア『MANIFESTO』は次世代へ走る実験室…パリモーターショー2022

ダチア MANIFESTO(パリモーターショー2022)
ダチア MANIFESTO(パリモーターショー2022)全 13 枚

ルノー傘下のダチアがパリモーターショー2022で発表したコンセプトカー『MANIFESTO』は、近未来のサンドバギーのようなヘビーデューティな外観を持つ。しかし、その開発コンセプトは単なるアウトドア向けの新型ではなく、次世代車両に向けた技術の実証実験車だ。

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ウインドシールドやドアがなくアグレッシブなレジャービークルのように見えるが、いくつかの新しい技術を取り込んでいる。チーフデザイナーによれば、ロバスト性の他に環境性能などSDGsへの取り組みを含んでいる。たとえばフェンダーの素材はリサイクル樹脂を使っている。内装や他の部品も可能な範囲はリサイクル、リユース素材を投入している。パワートレインはEVが基本となるが、アウトドアユースを考えて、交換式のバッテリーで設計される。

機能やデザインでは、左右非対称なLEDヘッドライト、エアレスタイヤ、シートの座面や背もたれの素材は取り外しが可能で寝袋にもなる。エアレスタイヤは従来型のタイヤより耐久性があるので、オフロード使用でも交換頻度を下げることができる。カーナビやインパネは「BYOD」ができるという。BYODとは、Bring your own deviceのことで、この場合、インパネの機能を各自のスマートフォンとそのアプリで代用できるという意味になる。

既存車種や新型に技術展開する前提なので、この車は実走行が可能だそうだ。ただし、コンセプトモデルなので細かいスペックは非公開。その理由は、この車は、おそらく単体モデルとしての発売はないそうだ。パワートレインやボディ、タイヤなど個別の技術やアイデアは、実際の製品モデルに適宜適用していく。いわば走る実験室として開発された。たとえば、交換式バッテリーは地域や車種によってはインフラおよび市場が成立しはじめている。小型乗用車、商用車にも転用できる技術だ。

MANIFESTOは、大衆車に強いダチアならではの使命も持っている。コンセプトカーだが、その技術を利用する車両のコストアップにつながらないという狙いもある。長寿命のエアレスタイヤ、BYOD対応、交換式バッテリーなどは、普及モデルとしての機能を意識している。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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