日本車にもあった“カングー的”なクルマ?『AD MAX』とは【懐かしのカーカタログ】

日産 AD MAX
日産 AD MAX全 8 枚

来年には日本市場でも登場という新型ルノー『カングー』は気になるところ。そんなタイミングで、今回は過去にあった“カングー的”なクルマの代表格、日産『AD MAX』を振り返ってみたい。

【画像全8枚】

◆フレンチドア装備、スタイルも粋な多用途車

1992年に日産から登場した『AD』のバリエーションとして設定された。ボディ後半を箱形とした、いわゆるフルゴネットタイプのクルマで、バンのほか5名乗車のワゴンタイプも用意され、搭載エンジンには1.5リットルのガソリンと1.7リットルのディーゼルの2機種が設定された。

特徴だったラゲッジルームは、とにかく使い勝手のよさを誇った。寸法はバンで荷室高=1205mm、荷室幅=1550mm、荷室長=1605mmとタップリとしたもの。昭和なモジュール(!)だが、運べる荷物量の目安としてカタログには、みかん箱で59個、ビールケースで30個と記載されている。ラゲッジフロアは上級モデルの“VX”ならカーペット敷き、DX、VEはシンプルな鉄板のままの状態だった。

それと“フレンチドア”と呼ばれる、いわゆる観音開きのバックドアも備え、最大180度までオープン可能となっていた。ドアは左右対称で、これはルノー『カングー』の前身のルノー『エクスプレス』と同じだった。装備にはリヤステップ、ロープフック、ラゲージストッパー、マルチユースバー、MAXウインドゥと呼ばれるスライド開閉式の窓といったアイテムが備えられた。

カタログを見ると、ラゲッジルーム部分のサイドウインドゥが省略された、パネルバンタイプの設定も。さらに保冷車も用意され、これはFRP製保冷車庫を搭載したクルマだった。ベースの『AD』がバンの用途の基本に徹したクルマだったのに対し、『AD MAX』は最大限の機能性をもちながら、さまざまなライフスタイルにも対応し、スタイルも粋な多用途車だった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  4. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  5. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る