カスタム界のレジェンドが公開を断念した「鯨」とは? ホットロッドショーに見たBMWの熱量

カスタム界のレジェンド木村信也さん。
カスタム界のレジェンド木村信也さん。全 29 枚

◆BMWブースにファン殺到

国内外で注目の高い『YOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW 2022』(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー)が今年で30回の節目を迎え、12月4日(日)パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)には2万1000人ものファンが押し寄せた。

【画像全29枚】

カスタム界のレジェンド木村信也さんとBMWモトラッドR18開発およびカスタムプロジェクトを担当したローランド・ストッカーさん。カスタム界のレジェンド木村信也さんとBMWモトラッドR18開発およびカスタムプロジェクトを担当したローランド・ストッカーさん。

毎年、海外からも招待ゲストが多く、ファンらは目が離せないイベントとなっているが、BMWモトラッドのブースにはひときわ多くの人が集まっていた。

カスタム界のレジェンド木村信也さん。カスタム界のレジェンド木村信也さん。

世界でもっとも求心力のあるカスタムビルダーのひとりが、木村信也さん/Chabott Engineeringだ。日本国内にいるうちから海外のカスタムショーでアワードを獲得し続け、2006年から拠点をアメリカ・ロサンゼルスに移す。生み出すバイクやヒストリックバイクでの大陸横断レースへの参加など、その活動すべてが世界中のファンから注目され続けている。

カスタム界のレジェンド木村信也さん。写真を撮りたい人が後をたたない。カスタム界のレジェンド木村信也さん。写真を撮りたい人が後をたたない。

◆R18ベースの“鯨”を手掛けた

そんなカスタム界のレジェンドがBMW『R18』をベースに製作したのが『THE WAL』(ザ・ヴァル)。BMWモトラッド本社の開発チームがオファーし、ドイツ語で「鯨」を意味するこのプロジェクトがスタートした。

BMWモトラッドブース(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー)BMWモトラッドブース(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー)

『R18』の巨大なボクサーエンジンを目の当たりにし、最初は畏れを感じたものの、乗れば無秩序に乱暴なパワーがあるのではなく、ワイルドかつジェントル、扱いやすさと力強さを兼ね備えるBMWにしかできないモーターサイクルであることを、木村さんはすぐにわかった。

木村さんにとってBMWのモーターサイクルは信頼のシンボルであり、長距離ツーリングも楽しめるようにフェアリング、タンク、シートを大きくした。スケッチや設計図は描かず、感じるままにただ手を動かしていく。

◆マークIIへ進化し、日本上陸へ

デウス浅草に展示中のTHE WAL MK ll。コーヒーや食事、買い物を楽しみながらカスタムの世界にどっぷりと浸かってみてほしい。デウス浅草に展示中のTHE WAL MK ll。コーヒーや食事、買い物を楽しみながらカスタムの世界にどっぷりと浸かってみてほしい。

「鯨」は強くてジェントルだ。『THE WAL』はいったん完成したが、もっとカウルは大きい方がいいとつくりかえた。最新バージョンは『THE WAL MK ll』(ザ・ヴァル・マークツー)としている。

動画や専門誌などメディアでも発表され、実車を見るのを心待ちにしていたが、カリフォルニアで発生した港湾のストライキによる出航大幅遅延により、ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショーには車両が間に合わなかった。

デウス浅草に展示中のTHE WAL MK ll。コーヒーや食事、買い物を楽しみながらカスタムの世界にどっぷりと浸かってみてほしい。デウス浅草に展示中のTHE WAL MK ll。コーヒーや食事、買い物を楽しみながらカスタムの世界にどっぷりと浸かってみてほしい。

BMWモトラッドは12月25日(日)までの期間限定で、DEUS EX MACHINA ASAKUSA(東京都墨田区)にて車両を展示中。ついに『THE WAL MK ll』を見ることができる。コーヒーや食事、買い物を楽しみながらカスタムの世界にどっぷりと浸かってみるのもいいだろう。

◆開発段階からカスタム想定のR18

ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショーにはR18シリーズの開発およびカスタムプロジェクト『THE WAL』に関わったローランド・ストッカーさんの姿もあった。

R18シリーズの開発およびカスタムプロジェクト『THE WAL』に関わったローランド・ストッカーさんR18シリーズの開発およびカスタムプロジェクト『THE WAL』に関わったローランド・ストッカーさん

「R18はスタンダードのまま乗ってもいいですし、カスタムもオーナーの自由な発想で楽しむことができるよう、開発段階から我々は考えて設計・製作しました。パーツを取り外したときも極力シンプルで美しいように、見えないところの配線処理などにもこだわったのです」

ローランドさんはR18シリーズでカスタムを楽しむユーザーがさらに増えることを願っており、また『THE WAL』のように想像の域を超えたものが生まれてくることを楽しみにしている。

◆チェリーズがHP2 Sportでダブル受賞!

ベスト・モーターサイクル・ヨーロピアンとベスト・カフェレーサーをダブル受賞したチェリーズカンパニー。ベスト・モーターサイクル・ヨーロピアンとベスト・カフェレーサーをダブル受賞したチェリーズカンパニー。

カスタムシーンからBMWモトラッドのラインナップに影響を与えることはあり得ることで、本社の開発チームは日本のビルダーたちに熱視線を注いでいる。

ベスト・モーターサイクル・ヨーロピアンとベスト・カフェレーサーをダブル受賞したチェリーズカンパニー。ベスト・モーターサイクル・ヨーロピアンとベスト・カフェレーサーをダブル受賞したチェリーズカンパニー。

ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショーで最も栄誉あるベスト・オブ・ショー・モーターサイクルを2年連続で獲得するなど、アワード常連のCHERRY’S COMPANY(チェリーズカンパニー)黒須嘉一郎さんもそのうちのひとりだ。

『THE BATMAN -ザ・バットマン-』(ワーナー・ブラザーズ映画)でゾーイ・クラヴィッツ演じるキャットウーマンの乗るバイクや、『仮面ライダー・ブラックサン』(Prime Video)のバトルホッパーなども手掛け話題となった。

今回『HP2 Sport』にて、ベスト・モーターサイクル・ヨーロピアンとベスト・カフェレーサー、2つのアワードを獲得している。

日本国内はもちろん世界中からファンが集うカスタムショーで、BMWモトラッドの勢力は拡大する一方だ。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ルーミー』が10年ぶりの刷新…次期型はハイブリッド化か?
  2. 『RAV4』のデッドスペースを“使える収納”に、クラフトワークスが60系専用「ダッシュボードトレイ」発売
  3. “ペタッと貼るだけ”の最新「ソーラードラレコ」クラファン開始、2K高画質&リン酸鉄リチウムイオン電池搭載
  4. トヨタ『プロボックス』ついに全面刷新か? 見えてきた次期型の進化
  5. 「RAYSホイール」がカプセルトイに! 5モデルをメタルキーチェーンで再現、12月発売へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 自動運転開発の分野で高まるNVIDIAとAWSの存在感、日本メーカーは中国のスピード感に対抗できるのか【AWS オートモーティブ AI イノベーション フォーラム】
  2. 居眠り・脇見を監視、「DMS」を義務化…乗用車は2031年から、バス・トラックではすでに普及
  3. 電動車は誰が最後まで面倒を見るのか…KPMGコンサルティング プリンシパル 轟木光 氏[インタビュー]
  4. ホンダの交換式電池、建設現場で実証…高さ385mの「トーチタワー」
  5. タイヤは「黒いゴム」じゃない! ブリヂストンが明かした性能を決める原材料の秘密
ランキングをもっと見る