ホンダ「BIG-1」CB1000 SUPER FOUR 誕生30周年---CBの意味、知ってた?

ホンダCBストーリー 新装版
ホンダCBストーリー 新装版全 3 枚

『ホンダCBストーリー 新装版』
進化する4気筒の血統
編者:三樹書房 編集部
著者:小関和夫他共著
発行:三樹書房
定価:3080円
ISBN978-4-89522-779-7

ホンダ『CB1000 SUPER FOUR』が誕生して30周年。それを記念してCBの歴史をたどる本が刊行された。

現在のCBのコンセプト“PROJECT BIG-1”によって誕生したのがCB1000 SUPER FOURである。本書はこれを記念して、2019年刊行の同書を、このコンセプトによって誕生したモデルを掲載するカバーデザインに一新。500部を製作・刊行する新装版として上梓された。当時の開発担当者らへの貴重な証言などを含めて、1959年から始まる歴代CBシリーズの足跡を紹介して、その全貌に迫っている。

ホンダ CB1000 SUPER FOUR(東京モーターサイクルショー2019)ホンダ CB1000 SUPER FOUR(東京モーターサイクルショー2019)

このPROJECT BIG-1というコンセプトは、1991年、“次代をになうホンダのネイキッド・ロードスポーツモデルはどうあるべきか”という将来を見据えたテーマに取り組み、これを徹底追求。走る、曲がる、止まるの3要素にとどまらないサムシングが必要な時代であることや、美しいスタイリングのみにとどまらず、使い勝手を考慮したユーティリティも備えていること。そして、基本に忠実なマテリアルを最新技術で磨きあげていることなどを基本思想としてあげられ、このフィロソフィーと方向性を見極める具体的な展開方法PROJECT BIG-1と名付け、開発に着手したのだ。

具体的には心臓部には、水冷・4サイクル・DOHC・直列4気筒エンジンを搭載。その体躯はあくまでもセクシー&ワイルドであること。走る者の心を魅了する感動性能を有することなど、単に性能や機能にとどまらないモーターサイクルの普遍的な魅力を具現化し、第29回東京モーターショーに『CB1000 SUPER FOUR』を参考出品したのが始まりである。

本書はそれ以前のCB誕生前夜から、その開発過程なども含めCBというオートバイがホンダの中でどのような位置付けか、海外を含めてどういう評価を得て来たかなど、開発者陣のインタビューを交えながら記されているのは興味深い。

因みにCBとは“C”LU“B” MANのCとBから取られたという説があるが、実は“C”YCLEの頭文字とFor CLU“B” MAN RACERのBなのだとか。このような新たな発見があるのも本書ならではである。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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