世界のどこにもないスポーツカーを作ろう…ホンダ NSX 開発記

NSX初代
NSX初代全 8 枚

『ホンダ NSX』
ホンダ初のミッドシップ・スポーツカー開発史
著者:NSX開発総責任者(LPL) 上原 繁
発行:三樹書房
定価:5500円(特別限定版 7480円)
ISBN978-4-89522-782-7(特別限定版 978-4-89522-783-4)

ホンダ『NSX-R』が誕生して30周年を記念して、開発総責任者がNSXの開発の経緯とその後の育成を詳細に記した、唯一無二の1冊が上梓された。

1990年発売のNSXは、サーキットでも街中でも、乗り手を選ばず走りを快適に楽しめる、全く新しいコンセプトのスポーツカーとして開発され、国内外で大きな注目を集めた。さらに、タイプRをはじめとした様々なモデルを世に送り出し、世界中のファンを魅了し続けた。

本書では、その6年に及ぶ開発の経緯などを、開発総責任者みずからが記している。巻頭口絵では、貴重なデザイン画やモックアップモデルなどを掲載し、資料性も高められた。

なお、箱入り装丁の特別限定版300部も同時刊行。専用の外箱には、ホンダのレーシングスピリットを象徴する、タイプRの原点となったNSX-R(1992年)を表面に、その後ろ姿を裏面にカラーにて収録し、表紙はイメージカラーの白色を基調とした装丁とされた。特典として、NSXの開発総責任者(LPL)上原繁氏による直筆サイン入りのカード(NSX-Rのカラー写真をレイアウト)が添付されている。最終仕上げはすべてハンドメイドで行ない、製作番号を示す検印(No. 001~300)が貼付している。

『ホンダ NSX』限定版『ホンダ NSX』限定版

開発責任者とは、そのクルマをどのように開発するかというその方向性から始まり、開発スケジュールはもとより、開発費、果ては計画販売台数や原価管理までその全てを見る、重責の役職である。従って単に自分が作りたいと思うクルマではなく、市場環境や他社動向をにらみつつ、その中で最適解を求めていくことが通例だ。しかし、このNSXなどのスポーツカーはさらに開発者の個性も出てくるのが常だ。彼らが理想とするスポーツカーとは何か、そこからどうしたら実現できるかを開発メンバーと意見を共有しながら、そして役員たちを説得しながらその理想に近づけていく。

その上原氏自らが初代NSXをどう開発していったのか。本人でないとわからない葛藤やエピソードなどが細かく語られていおり、開発責任者自らが記した非常にまれな1冊といえる。NSXファンだけでなく、幅広くクルマを愛する人たちに、手に取ってもらいたい。

なお本書は2年程前に刊行した初版をもとに、上原氏からの依頼を含めて約40か所の修正を加えたものである。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 40アルファードの静粛性が一変!調音施工で快適性が飛躍的に向上
  2. トヨタ カムリ 新型、全車ハイブリッドに…今春米国発売
  3. 【ホンダ N-BOX 新型試乗】アイデアの詰まった使い勝手はまさに「ニッポンの国民車」だ…中村孝仁
  4. レゴ ブロック初心者再び! セナが愛用した「マクラーレン MP4/4」を組み立ててみたら感激した
  5. シトロエンの新デザイン採用、『C3エアクロス』新型を欧州発表
  6. [15秒でわかる]トヨタ『4ランナー』新型…オフロード仕様のTRDプロを設定
  7. ジムニー愛好者必見! ベルサスVV25MXが切り拓く新たなカスタムトレンドPR
  8. トヨタ堤工場、2週間生産停止の真相、『プリウス』後席ドア不具合で13万台超リコール[新聞ウォッチ]
  9. トヨタ『ランドクルーザー250』発売、520万円から…特別仕様車も
  10. 【株価】トヨタが小反発、『プリウス』13万台リコールも地合い好転で持ち直す
ランキングをもっと見る