Apple CarPlayとAndroid Autoの利点と不利点…キーワードから読み解くカーオーディオ

「Apple CarPlay」と「androidauto」に対応した市販ディスプレイオーディオの一例(ケンウッド・DDX5020S)。
「Apple CarPlay」と「androidauto」に対応した市販ディスプレイオーディオの一例(ケンウッド・DDX5020S)。全 3 枚

カーオーディオ機器について調べてみると、専門用語を多々目にすることとなる。そしてそれらの存在が、ビギナーに“とっつきにくさ”を感じさせる。当連載は、その払拭を目指して展開している。今回は、「Apple CarPlay」と「Android Auto」について解説する。

◆「Apple CarPlay」と「Android Auto」なら、車載機でスマホアプリを便利に使える!

結論から入ろう。「Apple CarPlay」と「Android Auto」とは、「メインユニット」でスマートフォンアプリを快適に使えるようにするための機能だ。

で、これらにより特に便利になるのは、ナビアプリだ。というのも最近は「ナビはスマホアプリで良い」、そう考えるドライバーが増えている。確かに今どきのスマホナビアプリは性能が高く、ルート案内も的確だ。しかし、画面が小さいので車載カーナビほど地図が見やすくない。

でも、愛車の「メインユニット」が「Apple CarPlay」と「Android Auto」に対応していれば話が変わる。ナビアプリの画面を「メインユニット」のモニターに映し出せるので、地図が見やすくなる。そしてナビ音声はカースピーカーから聴こえてくるので聞き取りやすい。しかもほぼすべての操作を「メインユニット」の画面上にて行える。つまり、ナビアプリが車載機に格納されたかのような使い心地となるわけだ。

そしてさらにはスマホを音楽プレーヤーとして使う場合にも、「Apple CarPlay」と「Android Auto」は役に立つ。

「Apple CarPlay」と「androidauto」に対応した市販ディスプレイオーディオの一例(アルパイン・DAF11Z)。「Apple CarPlay」と「androidauto」に対応した市販ディスプレイオーディオの一例(アルパイン・DAF11Z)。

◆iPhone接続やBluetooth接続と比べても、操作性でアドバンテージを発揮!

ちなみに愛用のスマホがiPhoneの場合にはこれをUSBケーブルで「メインユニット」と接続すると、曲名やアートワークを車載機のディスプレイに映し出せて曲送り等の主要操作を「メインユニット」側で行える。なのでかなり便利なのだが、「Apple CarPlay」と「Android Auto」で接続する場合には利便性はそれを上回る。ほぼすべての操作を車載機のモニター上にて行えるようになるからだ。

またBluetooth接続も便利だが、こちらも車載機側で行える操作は限定的だ。なので操作性では、「Apple CarPlay」と「Android Auto」の方が勝っている。ミュージックアプリも音楽ストリーミングアプリも、ほぼ全操作を「メインユニット」のモニター上にてさくさく行える。

ただし、「Apple CarPlay」と「Android Auto」にも弱点がある。それは「動画系アプリには対応していないこと」だ。ドライバーが運転中に「メインユニット」の画面を注視することは法律で禁止されていることもあるからだろう、「Apple CarPlay」と「Android Auto」はナビアプリ以外の動画系アプリの画面をディスプレイに映せないのだ。

「Apple CarPlay」と「androidauto」対応機にて動画系アプリを楽しめるようになる「車載用Android端末」の一例(VISIT・ELA-V10S)。「Apple CarPlay」と「androidauto」対応機にて動画系アプリを楽しめるようになる「車載用Android端末」の一例(VISIT・ELA-V10S)。

◆「Apple CarPlay」と「Android Auto」対応機で動画系アプリを満喫する“奥の手”がある!?

しかし「メインユニット」に「HDMI入力端子」が備わっていれば問題はない。スマホの「ミラーリング」が可能となるからだ。これにてスマホ画面を車載機のディスプレイに映し出せる。

ところが、トヨタ車純正ディスプレイオーディオではそうもいかない。トヨタ車純正ディスプレイオーディオは「Apple CarPlay」と「Android Auto」に対応していることを強みとしているが、しかしこれには基本的に「HDMI入力端子」はおろかアナログの外部映像入力端子」も備わっていない。なので動画系アプリを楽しみにくい。

だがやりようはある。方法は2つある。1つは「外部映像入力端子を増設する」というやり方で、もう1つは「車載用Android端末を使う」という方法だ。

なお「外部映像入力端子を増設する」という方法の詳細は前回の記事にて説明したので、今回は「車載用Android端末を使う」というやり方について解説しよう。まず「車載用Android端末」とは、まさしく「Apple CarPlay」と「Android Auto」対応機に向けて作られたものだ。

で、これらもスマホと同じようにアプリをさまざま格納できて、そしてこれらを「Apple CarPlay」と「Android Auto」対応機にUSB接続すると、なんと動画系のアプリも車載機にて使えるようになる。つまりこれらは、「Apple CarPlay」と「Android Auto」に装備されている“動画系アプリを使えなくするリミッター”を解除できる仕組みが備えられているのだ。動画系アプリを車内で使い倒したいという「Apple CarPlay」と「Android Auto」対応機ユーザーは、「車載用Android端末」にもご注目を。

今回は以上だ。次回以降もカーオーディオに関係する専門用語の解説を続行する。乞うご期待。

《太田祥三》

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