業界のソフトウェアシフトがいよいよ本格化…CES 2023にみるサプライヤーの動向

CES 2023
CES 2023全 18 枚

北米での新車発表の場として定着した感がある「CES」。2023年はBMW、ステランティスなどのOEMに加えソニー・ホンダモビリティの新型車(プロトタイプ)の発表が目を引いた。これらはすでに多くのメディアが報じているので、ここではサプライヤーの動きについて振り返ってみたい。

トレンドはeアクスルからソフトウェアプラットフォームへ

全体の傾向として言えるのは、どのサプライヤーもソフトウェアシフト、SDV対応を全面に出してきていることだ。ビークルOSやE/Eアーキテクチャの変更は数年前からのトレンドだが、去年まではバッテリー、電動化プラットフォーム、eアクスルといった電動化のハードウェア技術を蓄積するフェーズだった。その方向性や戦略が定まってきた22年後半からは本格的なソフトウェアシフトが始まったとみてよい。

車載ソフトウェアの階層構造は新しい概念ではないが、以前はCANなどの車載ネットワークとそこに接続されるECU、センサーなどを前提としたものだ。センサー入力やアクチュエーター制御を担うデバイスレイヤ(HAL:ハードウェア抽象レイヤ)、これらハードウェアリソースと制御プログラムをつなぐリアルタイムOS。リアルタイムOSのAPIや各種ライブラリを利用する制御プログラム本体(アプリケーションレイヤ)という構造だ。

ソフトウェアデファインドカー(SDV)のアーキテクチャ

現在、これらの構造がなくなったわけではないが、各部ECUまでを車両ハードウェアのレイヤとし、この上にドメインコントローラや統合ECUのレイヤ、さらにその上にサービスアプリケーションのレイヤが生まれている。統合ECUのレイヤにビークルOSが適用され、車両制御や機能はビークルOSを利用するアプリケーションとして設計される。そしてこのレイヤはクラウド接続が前提となり、Webアプリやモバイルアプリまでが含まれる。

ドメコン、統合ECU、ビークルOSを想定したプラットフォームシフト

例えば、CARIAD(VWのソフトウェア事業を担当するサプライヤー)は「Tech Stack」を提唱し、車両アーキテクチャの階層化モデルを鮮明にした。車両ハードウェア、ソフトウェア(ミドルウェア)、クラウドアプリケーションといったレイヤー構造で車両の機能を設計するアプローチだ。ソフトウェアの部分はVW.OSを前提にミドルウェアやAPI層を意識したものになっている。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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