「東京オートサロン2023」のトーヨータイヤブースに登場した、一際巨大なエアロを纏ったアウディのマシン。ケン・ブロック氏とのコラボレーションで生まれた、『S1 e-tronクワトロ・フーニトロン』（Audi S1 e-tron quattro Hoonitron）だ。
このS1 e-tronクワトロ・フーニトロンは、かつてWRCに参戦したアウディのラリーマシン、『スポーツ・クワトロS1』がモチーフとなっている。当時のラリーカーが500hpを発揮する直列5気筒エンジンを備えていたのに対し、こちらは2つのモータージェネレーターユニットによって走行する電気自動車だ。最高出力は2つ合わせて680hpにも達する。
ケン・ブロック氏のスタント走行に対応するべく、ホイールベースは極限まで切り詰められた。スプリングストロークを200mm以上確保したサスペンションを採用することで、過酷な走りにも耐えられる設計となっている。また、足元からはトーヨータイヤの「PROXES R888R」が、激しい走行を支えている。
悲報が届いたのはオートサロン開催直前。会場で2ショットを拝むことはできなくなったが、ケン・ブロック氏が乗り込んでラスベガスの街を疾走する様子を収めた動画シリーズ”GYMKHANA”シリーズの一作、「エレクトリカーナ」では、今でも彼の走りとS1 e-tronクワトロ・フーニトロンに出会うことができる。
