カスタムベースとして人気のあるスポーツカー、日産『フェアレディZ』。東京オートサロン2023には30台以上の「Z」が出品されたが、中でも新型の「RZ34」が多かったのが印象的だった。今回は各チューニングメーカーが腕によりをかけたZ34のチューニングパーツを紹介する。
◆トラスト:見た目を引き締めるエアロキットや、パフォーマンスパーツを鋭意開発中!

トラストではまず見た目を引き締めるエアロキットを開発中。フロント、サイド、リアアンダーは追加するタイプで、さらにVOLTEXとタッグを組んだGTウイングを装着。
パフォーマンスパーツとしてはマフラーとスポーツ触媒を開発中。サスペンションはアラゴスタとのコラボレーションでアラゴスタGReddyバージョンとして開発しているとのこと。

注目なのが冷却系パーツ。サブラジエーターの容量アップキットをテスト中で、効率よく冷却性能の向上を目指している。オイルクーラーキットも開発中だ。『スカイライン』でのテストでは500馬力台後半が可能とのことで、RZ34でもその程度のパワーとそれに対応するパーツをテストしている。
◆ブリッツ:コンセプトは「大人のZ」、グランドツーリングな1台に

ブリッツではRZ34はグランドツーリング(GT)路線に定め、各種パーツを開発中。定番のサスキットも大人な乗り味を目指してこれからテストして春には発売予定。ベースモデルのZZ-Rと、室内から減衰力調整できるDSCのどちらも登場する。
エアクリーナーは「スカイライン400R」での結果を元に開発。こちらはカーボンパワークリーナーで、ほかにも紙フィルターやステンレスシールドなど、定番モデルから選択できる。

パワーアップパーツとしては、手軽にパワーアップ可能なパワコンも開発中。マフラーはNUR-SPECF-Tiを開発。フルチタンモデルで軽さと乾いた音質が特徴だ。もちろんベースとなるステンレス製モデルも開発中で、こちらはカスタムエディションとしてテールエンドを変えられるのが特徴。
ブレーキキャリパーも、Z34時代から適合確認済みでRZ34にも取付可能だが、マッチングなどの検証をこれから行う。エアロパーツはフロント、サイド、リアアンダー、リアウイングと開発中。こちらもシックなイメージで開発されている。
◆フジツボ:バルブ切り替え式の「VVVコンセプト」

フジツボでは電動バルブ切替式で、音量や排気抵抗を調整できる「VVV」のコンセプトモデルを装着して展示。VVVはジェントルな音量とアグレッシブさを両立できるモデルとして人気で、『GRヤリス』『GRスープラ』『WRX STI』など限られたプレミアムなスポーツモデルにだけラインアップされるマフラーだ。
◆VARIS:純正エアロに追加タイプの「ARISING-1」を開発

VARISでは、純正エアロに付加するタイプの「ARISING-1」エアロキットを開発。フロントスポイラー、クーリングボンネット、フェンダートリム、カナード、リアアンダー、リアウイングなども製作した。
「ARISING-2」はフルバンパーキットで、こちらも追って開発される予定だ。

ほかにも、GTウイング、カーボンルーフなども開発予定で、ゆくゆくはワイドボディキットまで作ることになるのでは!? とのこと。
◆RAYS:「G025LC」と「NE24」、RZ34想定の新サイズをリリース!

レイズの鍛造ホイールブランド「Volk Racing」完全新作モデルとして「G025LC」をリリース。LCはラグジュアリー・コンセプトなど、複数の意味を持つ、プレミアムな路線のホイールとして提案される。
特徴はリムの深さによる奥行きを表現したことだが、スタイリングだけでなく性能の裏付けがあるのが鍛造製法にこだわる「Volk Racing」のモデルらしいところ。

限定荷重値(受け止められる荷重の値)は本来の規定値の約1.3倍。それだけの強さを持つ。また、リム厚を厚めにすることで静粛性をアップ。リムに厚さを持たせることで走行騒音が静かになることが、テスラ用ホイールなどからの経験から確認されたという。このLCも、その設計を引き継ぐことでプレミアムな走りを獲得したのだ。新色のシャイニングライトメタルはスポークサイドが黒く見えるが、実は同じ色で塗装されている。奥行きを表す色の深さが特徴だ。

さらにNE24には19インチモデルを追加。9.5J 22と10.5J 22で、車高調、アーム交換、アライメント調整などで前後に10.5J 22を通しで履くことも可能。

正面から見たときにスポークがややズレているように見える特徴的なデザインのNE24だが、デザイン重視というより性能を追い求めたモデルだ。WEC(世界耐久選手権)のトヨタチームに採用されたホイールデザインを引き継ぎ、スポークとリムの接合部をなだらかにすることで応力を分散。よく見ると2×4の8本スポークデザインとしていて、均等に荷重を受け止めることで強い入力にも対応する。
◆エンドレス:最新のモノブロックキャリパー「MONO6TA/MONO4rTA」がRZ34に対応

エンドレスからは、RZ34用に早くもキャリパーキットが登場。MONO6TAは最新モデルで、アルミの塊から削り出すモノブロック構造。これまでのモノブロックは左右ピストンに油圧を伝えるためにアウターパイプがあったが、石やタイヤカスなどでアウターパイプがダメージを受ける可能性を考慮して廃止。高性能な切削加工技術で左右から細い穴を開け、中心部で集合させることでフルードが通る通路を確保。アウターパイプを廃止したのだ。オリジナルサスペンションの「ジール」からは、サスペンションも登場する。
◆CUSCO:サスペンション、強化スタビなどすでに開発済み!!

クスコからはオリジナルサスペンションの「STREET ZERO A」を開発中。F12kg/mm R11kg/mmのバネレートで減衰力は40段階調整式。それに合わせて強化スタビライザーも開発。フロントは純正比119%、リアは純正比120%のバネレートとなっている。
このほか、もちろんLSDが開発されている。また、注目はS-MCBストラットバー。アイシンとの共同開発によるもので、タワーバーの内部に動く部分があり、縦方向と横方向どちらのねじれも吸収するという。それによってボディを固めるのではなく、適切に強化できる。夏頃を目処に発売される予定とのことだ。
