タイヤ交換をスムーズにするサイズ表を読む ~Weeklyメンテナンス~

タイヤ交換をスムーズにするサイズ表を読む ~Weeklyメンテナンス~
タイヤ交換をスムーズにするサイズ表を読む ~Weeklyメンテナンス~全 1 枚

春を迎える準備のひとつにスタッドレスタイヤから夏タイヤへの交換があるだろう。そこで今回はあらためてタイヤ・スペックに注目していた。サイドウォールなどに記載されているタイヤのサイズ表記をチェックしてタイヤ選びの選択基準にしてみよう。

タイヤのサイドウォールを見ると数字+英字が刻み込まれている。これがタイヤのサイズを表記していることは知っていても、細かな意味までははっきり理解していないというユーザーも多いのでは無いだろうか。そこで乗用車用のタイヤを例にとってその表記について解き明かしていくこととした。

例えば195/65R16 95Hと表記があった場合を例に各表記の意味を紹介して行くこととした。

最初の「195」はタイヤ幅(サイドウォールの文字やリムガードなどを除いた純粋なタイヤ幅)を指している。単位はmm(ミリメートル)。トレッド面の幅が195mmあると理解しておけば良いだろう。

次の「65」は偏平率(%)を表している。偏平率はタイヤ高さ/タイヤ幅の比率を表している数値だ。50→40→35と数字が小さくなるほどタイヤ幅に対するタイヤ高さが低くなっていく傾向、つまりはハイトの低い薄いタイヤ(ロープロファイル)になっていく。対して70、80偏平などは比較的ハイトの高いタイヤとなる。

さらに「16」はホイールのリム径を表示している、単位はインチだ。こちらは適合するホイールのサイズを表している。現在使っているホイールが16インチホイールだとこのタイヤが適合する。

その後に記載されている「95」は少し難しいスペックになる。この数字はロードインデックス(LI)と呼ばれる数値で、タイヤが負荷することができる最大の質量を示している。つまりどれぐらい重い重量をこのタイヤで支え得られるかの判断基準になるスペックだ。しかしLI値は指数表記なので要注意、例えば95=690kg、99=775kgなど、LI値の数字に対して負荷能力(kg)が対応しているので対応表を確認する必要がある。

タイヤ交換する際に同サイズを選べば問題ないのだが、タイヤサイズを変更する場合にはこのLI値には注意したい。タイヤの負荷能力はクルマの重さ(軸重)に合わせて設定されているので、必要な負荷能力を下回ってしまうと車検にパスしなくなるので要注意。例えば総重量の重い貨物車両に負荷能力の低い乗用車用のタイヤを組み込んだ場合などには車検に通らなくなるのもそのひとつ。

最後の「H」は速度記号と呼ばれるものだ。走行可能な最高速度を表記しているもので、H=210km/hを表している。他にもW=270km/h、ZR=240km/h超などの記号が存在する。この文字を見ると対応している最高速度がひと目でわかるようになっている。

ここまでのスペックはタイヤの目立つ部分にまとめて表記されていたのだが、タイヤのウォール面には他にも重要なスペックが記されている。そのひとつが製造年月日だ。タイヤのウォール面を見ていくと刻印されような4桁の数字が見える部分がある。これがタイヤの製造時期を表している。表記は「2522」の場合、25=25週目、22=2022年を表している。つまりこのタイヤは2022年の25週目に製造されたタイヤだということがわかるのだ。フレッシュなタイヤにこだわって求めるユーザーは気にしても良いだろう。

さらにタイヤ交換時にタイヤサイズを変更する場合、ホイールとのマッチングを確認することも実は必要になる。そのひとつは先にも紹介したホイールのリム径が必須。これが異なるとタイヤがはまらないのでまず間違いは起こらない、しかし問題になるのはリム幅の方だ。タイヤに対してリム幅も適合サイズがあるので要注意だ。タイヤメーカーのカタログスペックなどには適合ホイール幅の表記(標準リム幅/適用リム幅)がある。これはこのタイヤがどの程度のリム幅のホイールに装着することができるかを示している。タイヤには柔軟性があるので適合のリム幅には1インチ程度の幅を持たせてあるのでそのサイズを収まっていればタイヤ+ホイールのマッチングは正常だと言える。

最後にタイヤ外径にも注目したい。こちらもタイヤごとにカタログスペックなどには表記されているの注意してみてみよう。インチアップやタイヤサイズを変更した際には要注意だ。タイヤ外径が変わるとスピードメーターの誤差が出るので規定の範囲内に収める必要がある(タイヤ外径が大きく変わった場合にはメーター補正の装置を用いる方法もある)。また外径が極端に大きくなるとタイヤがタイヤハウス内にいずれかに接触する可能性も出てくるのでこちらも注意したい。

夏タイヤへの交換時に純正と同じサイズをそのまま選ぶユーザーはまず間違いは無いのだが、ホイールを変更したりタイヤサイズを変更する場合にはこれらのスペックを見て適合を確認すると良いだろう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

《土田康弘》

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